津波てんでんこ

津波てんでんこ

 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。(2011年3月25日から岩手日報紙面で連載「津波てんでんこ~被災地からのメッセージ」がスタート。ほぼ毎日にわたってメッセージを掲載しています。この紹介文は連載が始まった当時の原文まま)

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。

▼9月23日
支援の恩返ししたい
久慈市旭町 市社会福祉協議会職員 嵯峨 和樹さん(24)

 東日本大震災のときは高校生で、教室で勉強している時に地震が来た。海沿いのまちが自分の知っている景色とは全く違うものになっていた。2016年台風10号豪雨では親戚の家が浸水した。全国各地で大きな自然災害が多発する中、社会福祉協議会でも被災者支援に携わる機会が多い。災害を目の当たりにした経験を生かし、震災や台風で助けてもらった恩返しがしたい。

▼9月22日
浜の駅に来てほしい
岩泉町小本 浜の駅おもと愛土館従業員 三浦 和子さん(54)

 東日本大震災の被災跡地に浜の駅おもと愛土館をオープンして1年を迎えた。津波で周辺の住宅は少なくなったが、地元の人や町外からの客も買い物に来てくれる。月1度の定期市ではワカメのつかみ取りが人気でにぎわいを見せる。ドンコのさつま揚げなどオリジナル商品や地元で取れた魚など新鮮で安く提供しているので多くの人に来店してほしい。

▼9月21日
想像を絶する震度7
大船渡市盛町 及川 利雄さん(78)

 地震の揺れを再現する県の防災指導車両で震度7を体感した。想像を絶する揺れで身動きが取れず、これでは北海道胆振(いぶり)東部地震の際も人々は逃げだすことができなかっただろうと実感した。津波で自宅は流されたので、北海道の被災者の気持ちも分かる。災害は肌で感じないと分からないもの。学校や福祉施設に勤める人も体験して、万が一のときに役立ててほしい。