津波てんでんこ

 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。(2011年3月25日から岩手日報紙面で連載「津波てんでんこ~被災地からのメッセージ」がスタート。ほぼ毎日にわたってメッセージを掲載しています。この紹介文は連載が始まった当時の原文まま)

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。

▼12月9日
被災地 笑顔が増えた
八幡平市松尾 松尾中3年 小山田 唯翔さん

 学校の沿岸交流学習の一環で9月に宮古市田老地区を訪問した。被災された地元の方とゲームをし、合唱を披露するなど交流を深めた。小学生の時から同地区と交流があり、今回は小学6年以来3年ぶりの訪問。地元の方の笑顔が以前より増えたように感じてほっとしたが、まちの復興にはまだ時間がかかりそう。これからも、自分のできる範囲で沿岸の人たちの力になりたい。

▼12月8日
月2回の茶会心待ち
陸前高田市高田町 石川 スミさん(90)

 震災前は陸前高田駅前に住み、花壇作りに励んでいた。津波で娘を亡くし、孫と仮設住宅で暮らしているが、最初からいる人は数人に減ってしまい寂しい。月2回集会室で開かれるお茶会で、おしゃべりやカラオケをするのを心待ちにしている。地元の任意団体の人が来てくれるので、話も弾み楽しい。デイサービスにも通い、裁縫に挑戦したり体操したりと元気に過ごしている。

▼12月7日
洋野訪れる人増えて
洋野町中野 中野中3年 桜井 由依さん

 授業で洋野町の観光企画を考え、町職員の方々にプレゼンテーションした。観光客の呼び込み方を調べる中で、三陸沿岸道路が開通すれば、仙台から車で約3時間半と、現在の半分に短縮されることが分かった。洋野には日本一といわれる星空など魅力的なものがたくさんある。来てもらうまでの交通事情が問題点の一つだと感じたので、早く開通して洋野を訪れる人が増えてほしい。