津波てんでんこ

 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。(2011年3月25日から岩手日報紙面で連載「津波てんでんこ~被災地からのメッセージ」がスタート。ほぼ毎日にわたってメッセージを掲載しています。この紹介文は連載が始まった当時の原文まま)

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。

▼10月18日
人集まる企画今後も
山田町大沢 やまだFES実行委会長 福士 悠太さん(19)

 若者に文化や芸術の発表の場をつくろうと10~40代の若手メンバーでフェスを企画した。音楽ステージやワークショップに多くの参加があり良かった。町内では若い人が減っているが、町中心部も東日本大震災からの復興が進んでおり、イベントを通して町を盛り上げたい。初めて企画したイベントなので改善点を話し合い、人が集まり楽しめるものにして、今後も続けていきたい。

▼10月17日
沿岸と交流続けたい
西和賀町沢内太田 碧祥寺(へきしょうじ)住職 太田 宣承(せんしょう)さん(44)

 毎年1回、同町沢内の碧祥寺で東日本大震災支援の寺子屋コンサートを開き、今年は大槌町産のワカメやホタテを味わいながら楽しんだ。震災後、陸前高田市の避難者を招いたのが始まりで、内陸からの支援だけでなく、こちらが沿岸でごちそうになることもある。双方向の「ありがとう」のつながりを大切にし、細くても長く緩やかな交流を続けたい。

▼10月16日
ラグビーW杯に期待
釜石市栗林町 釜石観光ボランティアガイド会 川崎 孝生さん(77)

 橋野鉄鉱山で行われた育樹祭に参加した。継続して手入れをして良い環境を整えることが必要だ。森林があっての高炉だということを訪れた人にガイドしたい。2016年の台風災害で観光客が減ったが、今年は増えてきた実感がある。来年のラグビーワールドカップや鵜住居(うのすまい)町に完成する東日本大震災の伝承施設、追悼施設に多くの方が来てくれることを期待したい。