㉙安比高原のブナ林の紅葉(八幡平市)

天地彩る秋色の調べ

2018年10月24日


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 晩秋を彩る紅葉が、山々を急ぎ足で下っている。八幡平市の安比高原では、ブナ林が鮮やかに輝いている。

 ぶなの駅からブナ林に入り、「カサカサッ」と音色を奏でて落ち葉の道を歩く。太い根が森を見守ってきた長い月日を物語り、見上げると黄金色の葉が青空を染め、柔らかな日差しに映える。

 盛岡市みたけの公務員工藤浩統(ひろのり)さん(55)は「コントラストが素晴らしい」と巨木を見つめ、妻香子さん(54)は「落ち葉のカサカサが気持ちいい」と耳を澄ます。
 
 「ピッチュピッチュ」。コガラやシジュウカラのさえずりが響き、風が吹くとさざ波のような音を立てて、一枚、また一枚と落ちていく。

 間もなく冬を迎え、春には若葉が芽生える。命は受け継がれる。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=鮮やかに染まるブナ林。巨木が力強くそびえ立つ=八幡平市安比高原】


メモ 安比高原のブナ林は、昭和初期に木炭や漆器などの材料を取るため伐採されたが、自然に再生。伐採されずに残った巨木は樹齢280~300年とされる。イーハトーヴォ安比高原自然学校によると、ブナ林の紅葉の見頃は25日ごろまで。