㉕気仙町けんか七夕祭り(陸前高田市)

ぶつかり合う熱き魂

2018年8月8日


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 暗闇の中で彩り豊かに輝く2台の山車が激しくぶつかり合う。陸前高田市気仙町の今泉地区で7日、伝統の気仙町けんか七夕祭りが開かれた。東日本大震災後初のかさ上げ地での開催に多くの地域住民が歓声を上げた。

 午後7時すぎ、山車が位置につく。1度目の「けんか」は大雨での実施だったが、男たちの祈りは通じ、2度目は雨が上がった。「こんな太鼓の音でいいのか」。げきに応えて雄たけびとともにさらに鳴り響く。「ほらいくぞー」。一気に山車が動きだし、「ドガンッ」。猛スピードで激突し、長さ15メートルのかじ棒がぶつかる音が響き渡る。太鼓が鳴ると、山車の上に立つ男たちが勢いよくササをたたきつけ合う。

 震災津波で3台の山車が流失しても男たちは意地で伝統を守ってきた。「この祭りをなくしたら二度とできない。継続に向けて課題はあるが、将来に向けて若い人へバトンタッチしなくてはならない」と気仙町けんか七夕祭り保存連合会の佐々木冨寿夫(ふじお)会長(65)。熱き思いは受け継がれ、男たちのけんかは終わらない。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=雄たけびを上げ、激しくぶつかり合う気仙町けんか七夕祭り=7日、陸前高田市気仙町】


メモ 約900年の歴史がある気仙町けんか七夕祭りは、東日本大震災前は今泉地区の上八日町、下八日町、鉄砲町、荒町の4町内会が山車をぶつけ合っていた。2011年は唯一残った山車で運行。翌年に新たな山車を作り「けんか」を復活させた。1997年に県無形民俗文化財指定。