⑲金山棚田(一関)

古来の原風景、連綿と

2018年5月26日


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 昔ながらの田園を5月の爽やかな風が吹き抜ける一関市舞川の金山(かなやま)棚田。山を切り開いた42アールに、楕円(だえん)形や細長い長方形の田んぼが約100枚連なる。

 緑の木々に囲まれた棚田は、同市舞川の農業金山孝喜(たかき)さん(80)が所有。田植え機は入れないため、妻のミヨさん(79)と50年以上手植えをしてきた。「正直腰が痛くて大変だ」と孝喜さん。「ピチャッ、ピチャッ」と水音を立て、手際よく苗を植えていく。


 「ケロッ、ケロッ」。カエルたちの愉快な歌声が響き渡る。金山棚田を守る会(小岩章一会長)が設けた展望台の見学者ノートにも「カエルの鳴き声がいい」と、昔はどこでも聞けた日本の原風景を懐かしむ声があふれる。

 20日には同会の会員15人が田植えに励んだ。事務局の小岩浩一さん(62)は「どうやって棚田を存続するか模索している。貴重な地域の宝をずっと残したい」と未来への思いを語る。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=編み目のように広がる田んぼに青空が映り、昔ながらの田園風景が広がる金山棚田=一関市舞川】


メモ 金山棚田の開拓時期は江戸時代後期とされる。雨水や沢水、ため池を水源に、上の段の田から順に水を落とす田越しかんがい方式。2012年に金山棚田を守る会が発足し、案内板や展望台を設置した。