⑰日高火防祭(奥州)

おはやし、優美に響く

2018年4月30日


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 「トン、トン」。趣ある太鼓の音が春の夜空に響き渡る。300年以上の歴史を誇る日高火防祭(ひたかひぶせまつり)(実行委など主催)は29日、本祭を繰り広げ、奥州市水沢の中心部が優美なムードに包まれた。

 全9町組が参加。「お人形さん」と呼ばれる色鮮やかな着物姿の女児たちが「ヘーヨー」と声を上げながら小太鼓を打ち鳴らす。「ピーリィリィ、テンテン」。抑揚のある横笛と三味線の音が奥ゆかしさを増す。


 午後7時前。大勢の観客が見守る中、華やかに彩られたはやし屋台が夕闇の中をゆっくりと進む。9台がJR水沢駅前に集結し、一斉に音を奏でる「揃(そろ)い打ち」が始まると、祭りの盛り上がりは最高潮に達した。

 「キラキラ輝く夜の屋台の雰囲気が好き。歴史ある祭りに参加できてうれしい」と立町組の屋台に乗った藤野桜愛(さくら)さん(姉体小4年)。防火の心と郷土愛は、風情ある音とともに次世代に受け継がれていく。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=風情ある音色を鳴り響かせ、夕闇を彩る日高火防祭のはやし屋台=29日午後7時7分、奥州市水沢中町】


メモ 日高火防祭は1657(明暦3)年、江戸で明暦の大火を見た水沢城主の伊達宗景(むねかげ)が水沢に戻り、防火祈願をしたことから始まったとされる。1963年には屋台ばやしが県無形民俗文化財に指定された。