⑮木炭作り(久慈)

職人の情熱、伝統支え

2018年3月30日


 写真の音を聞くことができます 


再生できない場合はこちら



 「カランッ、カラカラッ」。外の明かりがうっすら差し込む炭窯の中で、真っ黒に染まった木炭の乾いた音が響く。「カタカタッ」。従業員が一本一本丁寧に取り出し、ベルトコンベヤーに載せていく。

 久慈市山形町の谷地林業(谷地譲社長)は、全国一を誇る本県木炭生産の一翼を担う。同社100年超の伝統を支えるのは岩手大量窯と呼ばれる大きな炭窯7基。高さ1・2メートル、奥行き5・4メートル、横4・3メートル。10トンが入る。


 ナラやアカマツを隙間なく並べ火を入れ、空気量を調整し温度を上げる。約800度で空気を遮断、1週間後に搬出する。切炭(6センチ)と長炭(30センチ)に切断。出荷先は主に関東方面だ。

 炭窯は東日本大震災で無事だったが、水道や電気が止まり、作業は1カ月ほど中断。震災後、木炭の需要が増えたという。谷地社長(45)は「使ってくれる人を第一に考え、こだわりを持って良い物を作っていきたい」と熱を込める。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=炭窯の中から出来上がった木炭を外に運ぶ従業員=久慈市山形町荷軽部】


メモ 県北広域振興局林務部によると、本県の木炭生産量は3317トン(2016年度)で全国1位。久慈市など県北地域が9割を占める。谷地林業は年間90トンを製造している。