⑪塩蔵ワカメ作り(陸前高田市)

鮮やかに輝く「春色」

2018年3月10日


 写真の音を聞くことができます 


再生できない場合はこちら



 白い湯気を上げ、釜で湯通ししたワカメが鮮やかな緑色に変わる。「チャプチャプ、バシャ、バシャッ」。香ばしい塩っ気のある匂いが浜に漂う。

 陸前高田市広田町の広田漁港で、塩蔵ワカメ作りが最盛期を迎えている。同市広田町の漁業佐々木信雄さん(70)は、30年以上従事するベテラン。東日本大震災では船や養殖棚、作業場を流失。再開をあきらめかけた時期もあったが「やるしかない」と2013年に作業を再開した。

 2月下旬に収穫を開始。早朝5時半に出港し、刈り取ったワカメを釜に入れる。30秒ほど湯通しすると、茶褐色から鮮やかな「春色」に輝く。今季は成長具合も良く「歯応えがある」と太鼓判を押す。三陸産ワカメは全国でも評判が高く、各地に出荷される。

 4月下旬まで繁忙期が続くという佐々木さんは「全国の皆さんが待っている」と汗を拭う。笑顔の中にのぞく力強いまなざしに自負が宿る。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=朝日を浴びながら、ボイル釜でワカメを湯通しする佐々木信雄さん=陸前高田市広田町・広田漁港】


メモ 広田漁港ではワカメやカキ、ホタテなどの養殖が盛ん。東日本大震災で漁船や新設したばかりのワカメ加工処理施設など甚大な被害を受けた。2015年には震災で中断していた陸前高田広田湾大漁まつりが復活した。