⑧ハクチョウ(盛岡・高松池)

旅立ちの春遠からじ

2018年1月22日


 写真の音を聞くことができます 


再生できない場合はこちら



 「コォーッ、コォコォコォ」。夕暮れ時、金色に染まった盛岡市高松の高松池。ハクチョウの群れが、鮮やかな影絵の世界をつくり出している。

 午後4時すぎ、冬の太陽が徐々に沈み、一面を色濃く染めていく。池を覆う氷がきらきらと輝き、光のラインが描かれる。「バサッ、バサッ」。ハクチョウが大きく羽を広げ、水面を走るように水しぶきを上げて飛び立つ。「コォー」。甲高い鳴き声が響き渡る。

 金ケ崎町西根から家族で訪れた主婦加藤千華さん(35)の長男悠太ちゃん(6)、長女花乃(はなの)ちゃん(2)は「大きくてとってもかわいいね」とほほ笑んだ。

 高松公園管理事務所によると、今季のハクチョウの飛来は昨年10月から始まった。例年100~200羽いるが、今季は数が少なく、50羽程度という。

 越冬したハクチョウの北帰行は2月中旬から始まり、岩手に別れを告げ、シベリアへ向けて飛び立っていく。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=夕日に照らされ、浮かび上がるハクチョウのシルエット=盛岡市高松・高松池】


メモ ハクチョウの飛来地として知られる高松池。1984年から餌付けが始まり、多くのハクチョウが飛来するようになった。かつては厚い氷が張り、48年には本県初のスケート国体を開催した。桜の名所としても知られ、春には大勢の花見客でにぎわう。