⑤早池峰神楽(花巻)

勇壮に年締めくくる

2017年12月18日


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 「カシャン、カシャン」。手平鉦(てびらがね)が独特の音を奏で、太鼓と笛の音が混じり合う。「ドンッ」。面を着けた舞い手が床を蹴り、神の化身となって舞い上がる。早池峰神楽の大償(おおつぐない)神楽保存会(阿部輝雄会長、会員18人)は17日、花巻市大迫町内川目の神楽の館で舞納めを行い、一年を締めくくった。

 「四人鳥舞」「三番叟(さんばそう)」「山神舞」など9演目を演舞。色鮮やかな装束をまとい、流れるような動きで観客約200人を魅了する。繰り返される音と演舞に、会場全体の鼓動が重なり高鳴っていく。舞い手とおはやしがぴたりと止まると「よぉし」という掛け声と拍手で湧いた。災いをはらう権現舞で締め、来場者の安泰を祈った。

 阿部会長(67)は「長年つないできた神楽の伝統という『鎖』の一つが今の私たちだ。やるほどに責任感が生まれ、次世代に残したいという思いも強くなる」と使命感を語った。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=一年を締めくくった大償神楽の舞納め。舞い手の演舞に来場者の熱い視線が注がれた=17日、花巻市大迫町内川目・神楽の館】


メモ 早池峰神楽は大償神楽と岳神楽の二つの神楽座の総称。2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。大償神楽の舞初めは来年1月2日に神楽の館で、岳神楽は同3日に花巻市大迫町内川目の早池峰神社で行われる。