季節感が際立つ岩手の四季、各地に息づく郷土芸能の数々、恵みをもたらす豊かな海と大地-。魅力にあふれた、さまざまな音がそこにある。時に心を癒やし、体を震わす。じっくり耳を澄ますと、聞こえる音もある。県内各地を巡り、音が聞こえる被写体にカメラを向ける。

(随時掲載)

㉗秋の虫の鳴き声(遠野市)

童心誘う金色の響き

2018年9月16日


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 「リンリンリン」。夕暮れ時、コオロギなど秋の虫たちが愉快な音楽を奏でるように音を響かせる。太陽はゆっくりと動き、景色を黄金色に変えていく。

 遠野遺産に認定されている遠野市宮守町の「上鱒沢(かみますざわ)の猿ケ石川沿い桜並木」。虫捕り網を持った子どもたちがトンボを追い掛ける。仲良しの菊池智集(ちあい)さん(鱒沢小5年)と、山蔭紗良(さら)さん(同5年)、咲岐(さき)さん(同3年)姉妹だ。3人は並木の通りを走り抜け、近くの猿ケ石川緑地公園へ向かった。

 捕まえたトンボを次々と虫かごに入れる子どもたち。緑の草むらは黄金色に染まり、無数のトンボが空を舞う。夕日を浴び、子どもたちの影が伸びる。「リィリィリィ」。太陽が山並みに沈み始め、虫たちの声が静かに響く。余韻を残すように、秋色の世界は消えていった。

(文・写真 報道部・山本毅)

【写真=無数のトンボが舞う中、虫捕りを楽しむ子どもたち。夕日を受け、黄金色に染まる=遠野市宮守町上鱒沢】


メモ 「上鱒沢の猿ケ石川沿い桜並木」は、遠野市が認定する遠野遺産の一つ。「山口の水車小屋」など157件が登録されている。猿ケ石川緑地公園では地域住民がグラウンドゴルフを楽しむなど、地域の憩いの場として活用されている。

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⑱桜吹雪(雫石)(2018/05/05)
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⑫浄土ケ浜(宮古)(2018/03/11)