⑤被災地を歩く 大槌町町方地区 にぎわい願う声多く

   

【写真=11年3月13日、11年6月16日、14年6月22日、19年2月14日】


【写真=11年3月13日と19年2月14日】

 大槌町の旧役場庁舎跡地に真っ先に向かった。大槌に行くたびに訪れた震災遺構はもう跡形もなく、寂しい光景が広がっていた。保存を望む住民も納得できる選択肢がなかったのかと、改めて思う。

 目を転じれば、末広町、大町、本町、上町の30ヘクタールで進められた町方地区土地区画整理事業の造成工事は2017年度に完了し、真新しい街並みが広がる。完成して間もない住宅が立ち並ぶが、城山公園展望台から見下ろすと空き地も目立つ。町方地区の人口は震災前から約3千人減少している。

 岩喜酒店を営む岩間充さん(49)は末広町の本設で営業再開して5月で2年。周辺の人口が思うように回復しない状況に気をもみながら、近くに昨年6月開館した町文化交流センター「おしゃっち」の集客効果に期待する。

 大槌末広町商店会専務理事を務める岩間さんは「19年内には商店会員全てが本設営業できる見通しになった。おしゃっちは多くの高校生が利用したり大きなイベントも予定されている」とにぎわい復活を望む。

 3月23日の三陸鉄道リアス線全線開通に向けた訓練運転が行われていた。キッチンカーで町内外を回る藤原悟美さん(39)=同町小鎚=は「開通すると大槌駅前の雰囲気が変わると思う。おしゃっち辺りもにぎわって、歩いてみたいと思える街になってほしい」と願う。

 大槌駅の指定管理者となった町観光交流協会は18日から同駅で業務開始した。

 同協会の平賀聡事務局長(48)は「大槌の復興に関わった人が何十万といる。思いを寄せてくれている人にまた来てもらい、震災復興で出会った住民と交流してほしい」と三鉄開通効果を生かしたい考えだ。