②被災地を歩く 久慈市久慈港半崎地区 湾口防波堤整備進む

   

【写真=2011年3月12日、11年12月19日、14年6月13日、19年2月8日】


【写真=2011年3月12日、19年2月8日】

 久慈市夏井町の久慈港半崎地区が望める高台を1年10カ月ぶりに訪れた。久慈国家石油備蓄基地の東沖合に見える湾口防波堤の整備はだいぶ進み、時間の流れを感じた。

 この防波堤は国が主体で、1993年度に本格着手。計画延長3・8キロに対し震災前の完成は0・9キロだったが、震災後は事業費の増額で加速し、2・4キロ(昨年11月下旬)まで進んだ。

 防波堤ができると波が穏やかになる。水産業の分野では、これまでやっていなかった養殖の導入が期待され、久慈市漁協夏井漁業生産部の高橋敏雄副部長(79)は「何をやるかは今後の検討だが、新たな収入増となるものを研究したい」と意欲を高める。

 久慈国家石油備蓄基地を久々に訪れた。現地では震災津波で地上設備が全壊したが、2014年に復旧・復興工事を終えた。震災の教訓から、地上設備が被災しても原油が入る岩盤タンクを維持管理できるよう、電源設備などを高台に整備する対策を講じた。

 基地事務所の平山巌雄所長の案内で、新たに整備した高台設備から地下トンネルに続くらせん階段を初めて歩いた。階段は432段(高さ88メートル)あり、災害時にはこれを使うことを想定する。一段、また一段と下りながら、備えの重要性を実感した。

 基地の作業トンネルを活用した同市侍浜町の地下水族科学館もぐらんぴあは再開から間もなく3年になる。入館者は再開直後の16年度10万人を確保したが、18年度は震災前と同水準の6万人台に減ると見込まれる。

 「他の水族館のまねではなく独自の取り組みで来場者を呼び込みたい」と宇部修館長(62)。早くも訪れた「復興後」の地域の盛り上げに知恵を絞る。