⑩被災地を歩く 陸前高田市街地 心のケア一層重要に

   

【写真=2011年3月13日、11年6月23日、13年4月5日、19年2月26日】


【写真=2011年3月13日、19年2月26日】

 かさ上げされた市街地、新しい道路。1年10カ月ぶりに訪れた陸前高田市中心部は「新たな街」が姿を見せ始めていた。アバッセたかたを横目に見ながら、カーナビにない道を通って高田小に向かう。

 前回訪れた際に児童が走り回っていた校庭は、盛り土工事のため立ち入り禁止になっていた。市役所新庁舎を建てるためで、高田小も今夏に移転新築する。校舎裏の高台には真新しい住宅が並び、少しずつだが着実に復興が進んでいると感じた。

 校舎に足を踏み入れると、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。臼井昇汰君(6年)は「昼休みにサッカーで遊ぶのが楽しい」と屈託のない笑顔を見せる。校庭が使えず、かつての駐車場などを整地した「ミニ校庭」を駆け回る子どもたち。内陸の児童と変わらないように映るが、学校側は心の変化に気を配っている。今なお仮設住宅で暮らしたり、親を亡くした児童もいるからだ。

 菅野義則校長は「こんなに明るい子がこんな悩みを抱えているのか、と驚くケースもある」と語る。同校には県のスクールカウンセラー2人が通い、全ての児童と面談している。不安な気持ちが高まるのを未然に防ぐ狙いもある。

 震災から間もなく8年。震災を体験していない児童も入学し始めたが、気になるデータがある。県教委の2017年度「心とからだの健康観察調査」によると、サポートが必要な児童生徒の割合は全県で11・3%。沿岸部では小学1、2年生の割合が高く、震災時に1歳だった小学2年生は23・3%に上った。

 国の復興・創生期間は20年度で終わる。被災地への手厚い支援は縮小が見込まれるが、心のケアの重要性はこれまで以上に高まっていると感じた。