④被災地を歩く 陸前高田市中心部 減る人口、活力いかに

   

【写真=2011年3月13日、11年6月23日、13年4月5日、20年2月17日】


【写真=2011年3月13日、20年2月17日】

 かさ上げされた市街地のあちこちで新しい公共施設の建設が進む。完成間近の市民文化会館、隣には野球場やサッカー場が見える。陸前高田市中心部は着々と「新しい街」へ変貌を遂げていた。

 1年前に訪れた高田小は既に移転し、跡地では市役所新庁舎の工事が急ピッチで行われていた。かつて津波で浸水し、一面がれきに覆われた校庭には盛り土がなされ、その上を重機が行き交う。

 街の変化を市民はどう受け止めているのか。向かいに立つ災害公営住宅「下和野団地」を再訪した。交流プラザにいた自治会長の福田靖さん(79)は「街の変化はあまり感じない。それより自治会活動で手いっぱいだ」と苦笑する。

 団地ができて6年目になるが、よく知らない入居者も多いという。昨年に防災訓練をした際も100世帯超の入居者に対し、参加は10人ほど。新たなコミュニティーの構築は容易ではない。

 一緒にいた伊藤正春さん(78)は、街の先行きを案じる。「工事関係者がいて今は店も混んでいるが、いつまで続くか。人が減って商売も大変だろう」。市人口は約1万8千人で、震災前より20%ほど減少した。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年には1万2900人に減る見通し。人口減と復興需要の終息は避けられず、地域経済の維持が課題となる。

 話は公共施設の維持費にも及んだ。新庁舎、市民文化会館、夢アリーナたかた、市立博物館、高田松原運動公園(仮称)…。国費で整備しても維持は市が担う。「将来を考えて人口に応じた規模にしないと、後が大変だ」と伊藤さん。地域の活力をいかに生み出すか、「復興後」を見据えた対策が急がれる。