

ボーダーレスアート・デジタルミュージアム

小林 覚
1989年、釜石市生まれ。釜石養護学校高等部を卒業後、花巻市のルンビニー苑に入所。美しく伸びやかな「サトル文字」、ポップな色彩感覚に満ちた作風で知られる。

「であい授業」と新作制作
岩手日報社は、2023年5月27日に連載「まだ見ぬ景色へ」の関連企画として、花巻市・るんびにい美術館の人気作家小林覚さんと、同館アートディレクター板垣崇志さんを講師に、盛岡市のふれあいランド岩手で「であい授業」を開きました。

であいノート
岩手日報の連載「まだ見ぬ景色へ ボーダーレス新時代」(2023年1~6月)では、障害がある人と共生する社会の実現に向け、本県で盛んなボーダーレスアート活動をはじめ、既存の障害者観をアップデートし、新たな可能性を切り開こうと模索する障害福祉の現場の取り組みを紹介してきました。

上田 志保
1971年、二戸市生まれ。一戸町奥中山の三愛学舎卒業。カナンの園地域作業所などを経て、母の初子さん(故人)が同町で経営する喫茶「北の風」で働きながら創作を続けた。

スイス・アール・ブリュット・コレクション
スイスにあるアール・ブリュット・コレクションは、フランス人画家で「アール・ブリュット(生の芸術)」を提唱したジャン・デュビュッフェ(1901~85年)がローザンヌ市に寄贈した作品をもとに、世界中から集めた約7万点を収蔵している。

ドイツ・ハダマー記念館
ドイツ中西部にあるハダマー記念館。ここではかつて、精神障害者らを安楽死させた「T4作戦」が行われた。

デンマーク・ワークショップ
デンマーク・ノーフュンス市にあるワークショップは、知的障害者らが通う授産施設。木工やIT、クッキングなどのグループに分かれ、穏やかな雰囲気の中で作業を行っている。

フランス・シュヴァルの理想宮
フランス・オートリーブにあるシュヴァルの理想宮は、郵便配達人のジョゼフ・フェルディナン・シュヴァル(1836~1924年)が石を積み上げ、33年をかけて一人で作り上げた。

八重樫 季良
1956年、北上市生まれ。ダウン症があり、17歳で花巻市の社会福祉法人光林会が運営するルンビニー苑に入所した。

滋賀のアーティストたち
岩手と同様、滋賀のボーダーレスアートシーンも熱い。

田﨑 飛鳥
1981年、埼玉県新座市生まれ。生まれつき脳性まひで知的障害がある。幼い頃から絵に親しみ、中学生の時、母の故郷である陸前高田市気仙町に移り住む。

八重樫 道代
19歳の時、美術家橋場あやさんが主宰する油彩アトリエに通い始めたことをきっかけに、絵画制作を始める。20代前半に創作の場を自宅アトリエに移し、水性ブラシマーカーを使った色彩感豊かな作品を次々に発表していく。

ボッチャの練習する遠藤さん
滝沢市の遠藤豊さんは、ボッチャの練習に励んでいる。はじめに白い「ジャックボール」(目的球)を投げ、赤・青それぞれ6球のボールを、目的球にいかに近づけるかを競う。

三浦りん 視線入力アート
重度の身体と知的の重複障害がある一関市の三浦りんさんは、島根大総合理工学研究科助教の伊藤史人さん(元県立大研究員)が開発した視線入力訓練アプリ「EyeMoT(アイモット)」を活用し、 気鋭の視線入力アーティストとして活躍している。

ぽけっとの会のアートコースター
一関市のぽけっとの会(千葉淑子代表)は、重度障害児・者の地域生活を豊かにするため、1997年に結成。会員9人のアートコースターは2019年、北上市のいわて電力(笠井健社長)の「医療的ケア児支援プラン」の一環で、盛岡市の「オガ グラフィックス」、一関市の川嶋印刷と連携して作成した。

カナンの園アーティスト
カナンの園アーティスト

水戸芸術館「session!」
全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんをナビゲーターに、見える人と見えない人が一緒に会話をしながら展覧会を鑑賞するツアー「session!」を行っている。

eスポーツに挑戦する三浦りんさん
岩手電力杯「EyeMoTーGP(アイモット・グランプリ)全国大会2022」は2022年11月19日、滝沢市の県立大で開催。

千葉一歩さんの心拍入力体験
島根大大学院工学研究科助教の伊藤史人さんが作った心拍センサーを指に取り付けた一関市の千葉一歩さん。

バディウォーク盛岡
ダウン症のある長男希承(きしょう)君(盛岡みたけ支援学校小学部1年)を育てる室岡美幸さん(48)ら、バディウォーク実行委員会のメンバーは、米国発祥の世界的チャリティーウオーキングイベント「バディウォーク」を通して、多様性が認め合える社会を目指して活動している。

佐々木 早苗
花巻市のるんびにい美術館のアトリエを拠点に活躍。1990年代に創作活動を本格化し、緻密な四角や丸模様の絵画や、赤い布にすさまじい密度で四角形を縫い込んだ刺しゅうなど、大きく作風を変転させながら独創的な作品を数多く発表してきた。

下田 賢宗
久慈市生まれで、重い自閉症があり、16歳で花巻市の社会福祉法人光林会の児童入所施設「ルンビニー学園」に入園。

似里 力
糸を切って結ぶ。この作業を、ひたすら14年間続けている。きっかけは、販売用の草木染の毛糸を球状に巻き取る仕事を担当していた頃、

金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館。デザインギャラリーではヘラルボニーの新たなプロジェクト「ROUTINE RECORDS 」がひら
多彩なボーダーレスアート作家たち

県央部在住の女性アーティスト
発達障害の当事者として、レズビアンとして生きる県央部在住の女性 。周囲との違和感、区別、差別…複雑に交差する境界に取り囲まれながら生きてきた。

佐々木 諭希登
盛岡市の乙部中学校特別支援学級に在籍当時、自己実現の一環として、切り絵に取り組む。緻密な作風とセンスに美術教諭が注目し、親身にサポートを続ける中、どんどん才能を伸ばしていった。

畑中 悠翼
青森県むつ市在住。小学4年生の時、2018年9月に盛岡市で開かれたセミナーで、視線入力訓練アプリ「EyeMoT(アイモット)」に出会う。

加藤 遼一
1998年、盛岡市生まれ。4歳ごろからアートに目覚める。母の好江さんと自宅で、ポーテージ早期教育プログラム(一人一人の発達に応じた療育)に取り組んでいた遼一さん。