【愛媛県】客土記念碑

地盤沈降の危険指摘
 瀬戸内海に注ぐ愛媛県西条市の加茂川河口のほど近く、堤防を下った所に禎瑞(ていずい)地区の鎮護・嘉母(かも)神社がある。境内の客土(きゃくど)記念碑は、1946年の昭和南海地震の記憶を伝える。
 同地区は江戸時代から干拓による新田開発を行ったが、1854年の安政南海地震、昭和南海地震で沈降。田畑に潮が流入して作物の生育を阻んだ。
 1949年にポンプ排水を始めたが大きな効果はなく、53年に土を入れ替える客土工事に着手。事業が終結したのは70年だった。
 客土事業の概要を記した碑は長期にわたる経済的損失の大きさ、地盤沈降で相対的に津波高が増す海抜0メートル地帯の危険性を物語る。
 近く発生が予測される南海トラフ巨大地震。愛媛県歴史文化博物館の大本敬久専門学芸員(48)は「歴史を忘却せず、石碑から何を学ぶかという視点を持たねばならない」と説く。

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