【京都府】波せき地蔵堂

津波止めた伝説記す
 京都府宮津市の籠(この)神社(海部穀成宮司)の奥宮・真名井神社境内に、約1300年前の大宝時代に発生した大津波をせき止めたという伝説を残す波せき地蔵堂がある。
 地蔵堂があるのは日本三景の一つ、天橋立から約400メートルの標高40メートルの高台。海部宮司(51)は「皆、『まさかここまで津波が来るはずがない』と、遠い昔のおとぎ話のように思っていた」と語る。
 その意識を変えたのが東日本大震災だった。「昔の人が『真名井さんまで上がれば大丈夫』と言っていたのが初めて現実味を帯びた」と振り返る。
 一方、大津波の発生について記した文献などは残っておらず、現在の位置に地蔵が設置された時期も不明。謎に包まれた伝説だが、海部宮司は「先人が災害を経験し、その都度後世に伝えようとしてきたことは確かだ」と力を込める。

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