【愛知県】震災鎮めの石碑

2度の地震 痕跡刻む
 愛知県豊橋市の豊橋鉄道大清水駅から南東へ約5キロ、一面のキャベツ畑を抜けると同市伊古部町のささゆりの里がある。園地の遊歩道入り口から徒歩5分、震災鎮めの石碑は静かに眼下の太平洋を望んでいた。
 1854(安政元)年12月、最大マグニチュード(M)8・4とされる大地震に2度見舞われた地域。碑には太陽神を表す既白大士、水神の八大龍王、海岸守護神の根礒大明神の文字があり、建立者の網元・仙太郎の祈りが伝わる。
 石碑を発見したのは、ササユリの保護と増殖に取り組む伊古部町笹百合(ささゆり)保存会(田中房一会長)。2008年、石碑を後世に残そうと消滅が進んでいた墨書の痕跡を石に刻み込んだ。
 数年後、東日本大震災が発生。田中会長(82)は「隣近所で災害について話し合うようになった。助け合いの気概を忘れない」と祖先の思いを継ぐ。

特別号外 全国8カ所の石碑、遺構