【東京都】寛政三年高潮波除碑

高潮被害 爪痕伝える
 東京都江東区木場の洲崎神社(塩沢光行宮司)境内の波除碑は、1791(寛政3)年に当時海岸だった周辺一帯を襲った高潮の被害を伝えている。
 碑文によると、台風による高潮で付近の家屋が流され、多くの犠牲者が出た。江戸幕府は被災地域約1万8千平方メートルを買い上げて空き地とし、人が住むことを禁止。その範囲を示すため、同神社と、約600メートル離れた平久(へいきゅう)橋の近くに波除碑を建てた。
 砂岩の碑は関東大震災や空襲で損傷し、戦後間もなく作られた木製の2代目、1958年に作られた3代目の碑がそばに並ぶ。
 現在は同神社より海側も埋め立てが進み、都会の街並みが広がる。塩沢宮司(70)は「海抜が低いにもかかわらず住民が高潮を意識することは少ない」と懸念。「災害を人ごとと思わぬためにも、形あるものを後世に残したい」と語る。

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