那須川天心(23)と武尊(30)、現在の日本の格闘技でトップに君臨する2人による“運命の一戦”が行われる『Yogibo presents THE MATCH 2022』が、19日に開催される。昨年12月の対戦発表は日本中を驚かせ、会場は日本最大級の広さを誇る東京ドームで5万人以上を収容、さらにリングサイド最前列のチケット価格が300万円ということも大きな話題となったが、そのチケットも即完売した。

【独占動画インタビュー】天心戦に向けてボルテージMAX!意気込みを語る武尊

 日本中に待望されるこの試合は、なぜ“運命の一戦”と呼ばれるのか。多くの人が実現を期待しながらもなかなか決定しなかったこの試合が、なぜこのタイミングで実現するのか。ORICON NEWSでは、2人のファイターが1つのリングにたどり着いた軌跡を格闘技の歴史を振り返りながら紹介する。第1回の時計の針は、武尊が11歳、天心が4歳だった2002年から。

■外国人主体だった1990年代のK-1ブーム そこに風穴を開けた日本人エース・魔裟斗

 日本におけるキックボクシングの歴史は古く、これまでに何度もブームが起こってきた。そのなかでも1992年にスタートした「K-1」は、ヘビー級の大型外国人ファイターが大迫力のバトルを繰り広げ、フジテレビのゴールデンタイムで放送されると高視聴率を獲得。ピーター・アーツやアンディ・フグさん、マイク・ベルナルドさんなど個性豊かな選手たちもCMやテレビ番組に続々と起用され、老若男女を巻き込む社会現象となっていた。

 しかし、佐竹雅昭や武蔵など日本人ファイターは体格の壁を超えられず、日本人王者は不在のまま。そこで、2002年に日本人が活躍しやすいミドル級(70キロ以下)部門の「K-1 WORLD MAX」が設立され、その主役となったのが“反逆のカリスマ”魔裟斗だった。1年目は世界トーナメントでベスト4止まりだったが、2年目の03年には見事に優勝し、日本人として初めてK-1の王者に輝いた。さらに、翌年の大みそかには総合格闘家の山本KID徳郁さんと対戦。カリスマ同士の一戦は若者を熱狂させた。

 さらに、K-1 WORLD MAXでは07年に当時15歳の中学生だったHIROYAがデビューし、同年末から18歳以下の高校生ファイターによる「K-1甲子園」がスタート。現在のファイターたちは、この時期の格闘技ブームを幼少期に体験しており、魔裟斗やKIDさんらに憧れ、K-1甲子園の出場を目指していた選手たちが数えきれないほどいる。17歳になった武尊もテレビで見たK-1甲子園への参戦を目指したが、09年の関西地区予選で敗退。その悔しさを晴らすために上京を決意し、練習の合間のアルバイトで資金を貯めて、高校卒業後の2010年に東京のジムに入門すると、翌11年にK-1の登竜門的団体だった「Krush」でプロデビューを果たした。

■K-1を見事に復活させた武尊、そして対戦を表明した天心 2人の長い物語が始まる

 ついに格闘家としてのキャリアをスタートさせ、憧れのK-1のリングに近づいた武尊。しかし、「魔裟斗対KID」が行われた2004年をピークに日本の格闘技は徐々に人気が下降し、11年3月の東日本大震災の影響もあって、K-1は活動休止に追い込まれた。大きな目標が失われたが、武尊はKrushで試合を重ねてその実力は急成長。運営体制が変わった「新生K-1」が14年に旗揚げされると参戦を果たすと、翌15年の「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~-55kg初代王座決定トーナメント~」で優勝を飾り、王座を獲得した。

 武尊の勢いに合わせるように、新生K-1の人気も急上昇。旧体制のようなテレビ依存ではなく、インターネットテレビの「ABEMA」を中心とした放送で若年層へのアピールが成功し、復活ではなく新たな格闘技としてジャンルを確立しつつあった。その中心である武尊は新たな時代のカリスマとして、精悍なルックスと相まって世間一般にも人気が広まっていた。

 そんな武尊の試合を見ていたのが、当時高校2年生の那須川天心だった。5歳から極真空手を始め小学5年生でジュニア世界大会を優勝、11歳でキックボクシングに転向してからもアマチュアで連戦連勝、2014年に高校入学するとプロデビューし、1戦目からランキング7位の選手に1ラウンド58秒でKO勝利という衝撃の結果を残した。

 その後も圧倒的な強さで勝ち続け、怖いもの知らずの“神童”と呼ばれた天心は、15年8月の試合でKO勝利後、リング上でマイクを握り叫んだ。「国内で1人やりたい選手がいる。K-1の武尊選手、かかってこいやって感じです」。この瞬間から、試合実現までの7年にわたる2人の長い物語が始まった。

◆『Yogibo presents THE MATCH 2022』はABEMA PPVで全試合完全独占生中継。通常のアングルに加え、300万円のVVIP最前列席と同じアングルで試合を楽しめる“300万シートアングル”にて、全試合を視聴できる一般チケットが5500円、天心と武尊のそれぞれの応援チケットが7700円で販売中。