是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』(6月24公開)の制作報告会イベントが10日、撮影が行われた韓国で開催された。主演のソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンらキャスト陣が登壇し、是枝監督は日本からリモート出演。韓国映画『義兄弟』(2010年)でも共演しているソン・ガンホ、カン・ドンウォンは、長年の関係からなる仲の良さを見せつけた。

【画像】制作報告会の模様や登壇者のソロカット

 ソン・ガンホは「カン・ドンウォンよりもっとカッコよく映りたいなと思いました(笑)。劇中ではちょっとカッコよく撮れたと思ったんですけど、今日の彼の衣装を見て、そういう期待はやめることにしました(笑)」と、会場の笑いを誘った。

 久しぶりの再タッグとなったカン・ドンウォンとの共演については「12年前の『義兄弟』で実の兄弟のように演技の相性が良いと感じたので、今回も自然に演じることができました。末っ子の弟と共演する感じで、分析的ではなく本能的なケミストリーを作れたと思います」と、自信たっぷりにコメントした。

 カン・ドンウォンもソン・ガンホとの撮影を振り返り、「個人的には、12年前よりももっと相性がよかったと思います。私もだいぶ成長しましたし(笑)。現場で演じる時もとても相性がよかったですし、私も年を取ったので会話ももっとスムーズにできました」と明かすと、ソン・ガンホが「成長しましたね。背も伸びたし(笑)」と、ジョークを飛ばしていた。

 本作は、“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った、赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮しようと静かに追いかける刑事――彼らが絡み合いながら繰り広げる、一風変わった旅路を描く。

 “赤ちゃんポスト”に預けられた赤ん坊を連れ去るベイビー・ブローカーのサンヒョンを演じたソン・ガンホは「普通にいそうな中年男性で、幸せな人生というよりは順調でない人生と寂しさを感じる人物かなと思います。彼が劇中でやってることは不合理なことで非道徳的なことかもしれないけど、真の部分では純粋で温かい感性を持ち、そういうものに憧れを抱いている、そんな感情が凝縮された人物ではないかと思います」と、分析。

 是枝監督はソン・ガンホについて演技力や洞察力を絶賛し、「演じる人物像のなかに、善も悪も両方入っていて、それがシーンやせりふによって微妙に入れ替わる。色が単色ではない人物描写っていうのが、とても深くて見事だなと。本当に素晴らしいと思って拝見していました。今回のサンヒョンの役も、悪人なのか、善人なのか、見ている人たちが探っていけるような、そういう人物描写にしたいなと思っていました」と、語った。

 サンヒョンの相棒で、“赤ちゃんポスト”がある施設で働く児童養護施設出身のドンスを演じたカン・ドンウォンは「ドンスは少し頑固な面があるんです。ドンス自身が児童養護施設で育ち、使命感をもって子どもを養子縁組させる人物で、子どもは児童養護施設で育つより家庭で育った方が良いという考えを持ってる人物です。実際、児童養護施設を何度か訪ねて、そこの出身の方々とお話をしたりして、その気持ちを演技に込めようと努力しました。その会話で感じた感情とその方々の悲しみを表現しようとしました」と、役作りのために自ら足を運んでリサーチを重ねたことを明かしていた。