自作の格納庫を舞台にモビルスーツの兵器としてのリアルさにこだわった作品を発表し続けているswmirukoさん(@swmiruko)。その近作は、『UC』や『NT』で活躍したシナンジュ。キャンディー塗装(透明感のあるクリアカラーの特性を利用した塗装方法)を施し、今にも出撃せんとばかりに待機している様子が臨場感あふれる描写で描かれ、SNSで賞賛された。本作制作の経緯や、なぜ後ろ姿なのか、話を聞いた。

【写真】正面はこんな顔…キャンディー塗装が見事なシナンジュ

■キャンディー塗装が似合う機体としてシナンジュを選択「特別な思い入れはない」

――格納庫で待機するシナンジュの姿を描いた作品が、SNSで多くの賞賛を集めました。

【swmiruko】正直、反響の大きさには戸惑いましたが、皆さまの声は素直にうれしいです。いただいたコメントはどれも印象に残るのばかりですが、中でも「リアルさを感じた」という声は、やっぱり特別うれしかったですね(笑)。

――なぜ、シナンジュを制作しようと思ったのですか? 制作のきっかけを教えてください。

【swmiruko】前作を作り終えた後、「次の制作はキャンディー塗装にしよう!」って思ったのが先なんです。キャンディー塗装が似合う機体としてシナンジュを選びました。ですので、シナンジュに特別な思い入れがあった訳ではありません(笑)。

――塗装方法以外の制作の方向性はどのように決めていったのですか?

【swmiruko】キャンディー塗装は決まっていましたので、あとは色合いをどうするかを考え、塗装の表現をメインにしたかったので、あえてデカールは無しにしました。大まかな方向性以外は、いつも制作しながら考えてます。

――塗装をメインにとおっしゃる通り、キャンディー塗装が見事な出来ですね。どのような点にこだわったのですか?

【swmiruko】色合いですね。光沢と艶消しで悩み、光沢に決めたのですが、心のどこかで艶消しキャンディーも捨てきれず、最終的に光沢2色と艶消し1色で塗装することにしました。艶消しは差し色の感覚で入れてみました。光沢は照明の加減で、2色の色合いの差が目立たなくなったりしますが、艶消しは色合いの差がはっきりするので、結果的には光沢だけでは出せない、表現が出来たので良かったかと思っています。

――その色味を出すには苦労もあったのでは?

【swmiruko】そうですね。塗装前色味をイメージする為に、カラーサンプルを何色か作り、その中から選び塗り分けしました。

――すごいこだわりですね。その他に苦労などはありましたか?

【swmiruko】特に、エングレービングのゴールドですね。ゴールドの上から黒を塗装して、ゴールドが必要な箇所だけ黒を剥がす作業…。今回初めてやりましたが地味に大変でした(笑)。

■「機能美」を追求する姿勢が、リアルさに繋がっている

――本作の背景には、どのような物語をイメージして制作されたのですか?

【swmiruko】僕自身はストーリーや物語なども特に意識はしていません。人それぞれ感じ方は違うと思いますので、見ていただいた方達が、いろんな物語を想像して頂ければ…と、考えています。1枚の写真から、人それぞれの物語が出来ればうれしく思います。見た人のコメントを見ると、比較的、出撃前のイメージを持たれる方が多いようです(笑)。

――最初に発表した時の写真が後ろ姿なのも、そこから物語をイメージしてほしいというメッセージだったのでしょうか?

【swmiruko】確かに言われてみれば、完成の発表が後ろ姿だけってあまりないですよね(笑)。後ろ姿って正面に比べ、何かいろいろと想像してしまいませんか? 単純に前はどんな仕上がりだろう…とかはあると思うんです。それとは別に人間でも同じですが、後ろ姿って哀愁が漂いますよね(笑)。そんな哀愁から何かを感じて、背景や物語を想像する…それを邪魔したくなかったので、後ろ姿だけにしたのはあります。

――本作や格納庫などを見ると、アニメやガンプラとしてのガンダムというよりも、兵器としてのモビルスーツのすごさ、リアルさを追い求めているように感じ、そこに向けて、細かく、丁寧に仕上げていらっしゃいます。このような作風になったきっかけをお教えください。

【swmiruko】そのように感じていただけたなら、大変うれしく思います。背景の格納庫は、2年前の夏頃に制作したもので、庫内には自作エレベーターがあり、手動で動くようになっています。
 このような作風になったきっかけは、おそらく僕自身のベースとして、「機能美」が好きなんです。車や、ロードバイクが趣味なんですが、その辺はいつも意識しています。ですので、ガンプラでも同じようなものを求めることが、リアルさの追求に繋がっているのかと思います。制作時、リアルさをどうしたら出せるかは常に考えていますね。「写真の向こうに、実際のモビルスーツがそこにあるようなガンプラを作れるようになりたい!」と、夢みて始めたガンプラなので、そこは追求していきたいと思っています。

――すばらしいですね。最後に、今後の目標を教えてください。

【swmiruko】僕にとって、ガンプラ作品を発表されているモデラーの皆さまが先生であり、目標でもあります。僕は模型歴がまだまだ短いのですが、以前、制作方法が分からない時、あるモデラーさんにDMでお尋ねしたことがありました。その際、会ったこともない僕に、凄く丁寧に教えてくださいました。そのようなモデラーさんになっていきたいですね。