大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』のローカライズ版となるテレビ朝日系木曜ドラマ『六本木クラス』(7月放送スタート)で主演を務める竹内涼真。2013年に20歳で芸能界デビューすると、翌年にはデビュー前から憧れていた『仮面ライダー』シリーズで初主演を果たした。順風満帆に見える俳優人生だが、当時を振り返ると受け身だった自分への反省や、俳優としての実力に葛藤もあったと明かす。今年29歳を迎え、20代の集大成となる本作に向けての思いとともに「やっとスタートラインに立てた」と語る今後の俳優人生についても聞いた。

【写真】『梨泰院クラス』主人公とどう違う? オリジナルの髪型で役に挑む竹内涼真

■『梨泰院クラス』リメイク作主演にプレッシャーも「意識的に全部捨てて臨む」

――本作は大ヒットドラマ『梨泰院クラス』のローカライズ版として注目されていますが、主演のオファーがきたときの心境はいかがでしたか。

【竹内】自粛期間中に『梨泰院クラス』が話題になっていたので観たのですが、物語の構成や登場人物それぞれのキャラクター、描かれる人間模様まで全てがユニークで、さまざまなエンターテイメント要素が詰まったドラマだなという印象を受けました。そのリメイク版をこんなにも早く作ることにまず驚きましたし、主演としてオファーをいただいたときは正直少し戸惑いました。世界中で話題になったドラマのリメイクですし、“なぜ僕に主演としてお声がけくださったのだろう”と考えこんでしまって(笑)。ですが『六本木クラス』の制作チームのみなさんが僕を推薦してくださっているならば、この大きなチャンスをものにしたい、そう思ってお引き受けすることにしました。

――主人公の宮部新(みやべあらた)を演じるにあたりプレッシャーはありませんでしたか。

【竹内】もちろんプレッシャーはありますが、そのプレッシャーを意識的に全部捨ててから現場に入るようにしています。主演として僕がやらなければいけないのは、スタッフのみなさんや共演者の方々としっかりとコミュニケーションをとって、全員が同じ方向を向いて作品を作ることなので、その気持ちを何よりも大事にしています。

――昨日(取材時)クランクインを迎えられたそうですが、雰囲気はいかがでしたか。

【竹内】とても活気があって明るい現場という印象を受けました。テンポ良く進行しつつも、こだわるところはとことんこだわって撮っていくんだろうなと安心しながら現場に立てています。あと、物語の舞台が六本木ということもあって、見慣れた街で撮影できるのがすごくうれしいですし今後が楽しみです。

■20代後半で芽生えた“プロ意識”「逃げずに向き合えるようになった」

――撮影真っただ中の今月26日には29歳の誕生日を迎えられた竹内さんですが、20歳で俳優デビューしてから今までの20代を振り返ってみていかがですか。

【竹内】一言でいうと、とにかく忙しかったです(笑)。でも、あっという間すぎてあまり覚えてないというわけではなく、いろんなことを経験し、学び、贅沢(ぜいたく)な景色をたくさん見せていただいた20代でした。

――俳優デビューしてわずか1年ほどで、以前から憧れだったという『仮面ライダードライブ』で初主演を務められましたが、当時を振り返ってみていかがですか。

【竹内】デビューする前の高校3年生から20歳ぐらいまではあまり意欲的に動けていなかったこともあって、デビューの前後はそんな自分を反省していたんです。だから「早くブレイクしましたよね」なんてインタビューなどで言っていただくことがあるのですが、自分としては“早く取り戻さなきゃ!”という気持ちで必死にやっていただけなんです(笑)。たまたま運良く『仮面ライダードライブ』で主演に選んでいただいたのはすごくありがたかったですね。

――近年は主演作が続いていますが、俳優としての成長をどんなところに感じていますか。

【竹内】『仮面ライダードライブ』のときの自分を見るとどうしようもないぐらいお芝居ができていないので、いま考えるとすごく怖いことをしていたなと思います。お芝居に関してなんの知識も経験もないままこの世界に飛び込んで、そのあと様々な作品で俳優という仕事の難しさを実感しました。最初は勢いでなんとかなったこともありますが、徐々に勢いだけでは通用しなくなり、プロ意識も芽生えてきて自分の実力に対して葛藤することも多々あって。そんな中で、26歳ぐらいになってようやく“もっとちゃんとお芝居の勉強をしなければいけない”と気づいたし、お芝居について逃げずに向き合えるようになった。そこから意識が変わってグッと成長できたんじゃないかなと感じています。

――“お芝居の勉強をしなければいけない”と気づいたきっかけのようなものはあったのでしょうか。

【竹内】いまって世界各国の作品をいつでもどこでも配信で簡単に観られるじゃないですか。そうなると、どうしたって日本のドラマや映画は他の国の作品と比べられてしまいます。僕は俳優を技術職だと思っているので、感覚だけでやっていては負けてしまうという危機感を感じて、そこからですね。いままでも一生懸命やってきたけれど、もっと本気で準備をしないといけないし、インプットしていかなければいけない。俳優人生まだまだこれからだと思っているので、いまやっとスタートラインに立てたような気持ちです。

■「これまでのすべてを注ぎ込んだ作品」20代の集大成として挑む『六本木クラス』

――20代という準備期間を経て、これから走り出していく竹内さんですが、30代向けて自身に対する課題はありますか。

【竹内】30代は社会的な責任を担う役が増えてくると思うので、ニュースや新聞などで現実に起きている社会問題や国内外で起きていること、流行を今まで以上に興味を持って知っていかなければと思っています。実はこれまであまりニュースに関心がなかったのですが、エンタメ作品に関わる者として、いまの世の中を知ることはとても重要ですし、何事も役に生きると思っているので、30代はこれまでよりももっと敏感に最新の情報を得ることが課題ですね。

――最後に、『六本木クラス』は竹内さんにとってどのような挑戦になると思いますか。

【竹内】これまで俳優として経験してきたこと、学んできたことを全て新という役に注ぎ込んで、20代の集大成として挑んでいる作品です。『梨泰院クラス』をご覧になった方もそうでない方も、ぜひ『六本木クラス』を楽しんでいただけたらうれしいです。

(取材・文/奥村百恵)