女優の岸井ゆきのと俳優の高橋一生がW主演を務めるNHK総合のよるドラ『恋せぬふたり』(2022年1月10日スタート 後10:45~、全8回)のキービジュアルと第1話の場面写真とともに、「アロマンティック・アセクシュアル」を題材とした物語を書いた脚本家・吉田恵里香氏のコメントを紹介する。

【画像】『恋せぬふたり』第1回の場面写真

 人を好きになったことがない、なぜキスをするのかわからない、恋愛もセックスもわからずとまどってきた兒玉咲子(岸井)。恋愛もセックスもしたくない高橋羽(高橋)と「アロマンティック・アセクシュアル」という言葉との出会いから動き出す物語。

 「アロマンティック」とは、恋愛的指向の一つで他者に恋愛感情を抱かないこと。アセクシュアルとは、性的指向の一つで他者に性的にひかれないこと。どちらの面でも他者にひかれない人を、アロマンティック・アセクシュアルと呼ぶ。そんなアロマンティック・アセクシュアルの2人が始めた同居生活が、両親、上司、元カレ、ご近所さんたちに波紋を広げていく…ラブではないコメディ。

 脚本を担当した吉田氏は、これまでに映画『ヒロイン失格』『センセイ君主』、ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season 〜』『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』などの脚本を手がけてきた。

 「恋愛は幸せの選択のひとつにしか過ぎないこと。誰かの生き方に他人がとやかく言うものではないこと、等々……恋愛至上主義の世界では忘れられがちな事柄たち」に真正面から向き合った本作に、「周りが決めた『当たり前』に振りまわされて疲れているあなたに届く作品に」と、本作に込めた思いを語っている。

 なお、キービジュアルは、フォトグラファーの石田真澄がフィルムカメラで撮影。階段の中ほどにたたずむ咲子と羽。セクシュアリティや指向の内面性、友人・恋人・家族・同僚という関係性、さまざまな曖昧(あいまい)な境界線が、ひとつの世界の中にあることを表現している。同ドラマを企画を担当した押田友太氏は「このドラマを見た人が『自分の感情に嘘をつかないで生きていける』そんな勇気を与えられるような作品を目指したい」と話している。

■脚本・吉田恵里香のコメント(全文)

 私は恋愛ものが(書くのも観るのも読むのも)好きです。好きだからこそ、忘れずに伝えていきたいことがあります。他者に恋愛感情を抱かない人、性的にひかれない人がいること。恋愛は幸せの選択のひとつにしか過ぎないこと。誰かの生き方に他人がとやかく言うものではないこと、等々……恋愛至上主義の世界では忘れられがちな事柄たちです。

 本作では、それらに真正面から向き合いました。演者・スタッフ・考証の皆さんの真摯(しんし)な姿勢に何度も襟を正し、勉強、反省、成長させていただきました。

 このドラマはアロマンティック・アセクシュアルのふたりが主人公です。恋愛・性愛至上主義の世界で、ないものとして扱われてきた彼らを描いています。恋愛ありきの世界だけでなく、周りが決めた「当たり前」に振りまわされて疲れているあなたに届く作品になっていること、そして何年か後には「当然のことを何を仰々しく言ってるんだ」「古い」なんて言われるくらい世界が変わっていることを心より願っています。