公開中の映画『ひらいて』の大ヒット御礼舞台あいさつ第2弾が23日、東京・池袋HUMAXシネマズで行われ、主人公・愛(山田杏奈)の片想い相手“たとえ”役を演じた作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、“たとえ”の秘密の恋人“美雪”役を演じた芋生悠、首藤凜監督が登壇。上映を観終わったばかりの観客からの質問にも答えながら、撮影裏話満載のトークを繰り広げた。

【写真】トーク中の作間龍斗(HiHi Jets)らソロショット

 10月22日の公開から早1ヶ月。司会者が客席に向かって「今日が2回目以上の方は…?」と問いかけると、多くの手が挙がった。作間は、周りからの反響について「地元の友達や親戚など、たくさんありましたね! ムズムズしたと。普段の作間を知っている方からは、あの感じは想像できないと(笑)。映画自体は面白くて、考えさせられたと仰っていただきました。今のところ悪い評価はありがたいことになくて、いい経験をさせていただいたので、(良い評価を)言っていただくのはうれしい」と笑顔を見せた。

 芋生は「私は(映画『呪怨』などの)清水崇監督からLINEがきて『泣いちゃった』と。愛ちゃんと美雪の2人の関係が好きだったそうです」と報告。それを聞いて首藤監督は「同性の方を意識して脚本を書いていたんですけど、結構いわゆる“おじさん”の方たちが『昔はたとえ君だった』とか、いろんな感想をいただきます」と周囲の反響を明かした。

 さらに撮影時を振り返り、芋生が作間について「作間さん、現場ではこんなに明るくないですよね(笑)」と現場の様子を明かすと、作間も「“たとえ”に引っ張られていた感じがあるんですかね。でも100均に行ってマジックキットを買って来てチェーンにリング通せるかとか、みんなに見せたりしてたんですけど(笑)」と当時のエピソードも披露していた。

 「質疑応答」では、東京の大学受験に向かう“たとえ”に美雪がバス停で使い捨てカイロを渡すシーンで、美雪が出したカイロの多さに作間がビックリしたというエピソードについて質問が出た。作間が「あの時の僕は、ほぼ素です(笑)。あの量がバッグから出てくると思わないじゃないですか。10袋くらい詰まっているのが2つくらい出てきて、面白くて笑いましたね(笑)」と振り返ると、芋生も「笑っちゃわないようにしていた」といい、首藤監督も「美雪の天然のところが出ているシーンですね(笑)」と数少ない2人のシーンでの微笑ましいエピソードを明かした。

 たとえと美雪を演じるにあたって気をつけたところや緊張したシーンについての質問に、作間は「(自身の)落ち着きのない感じ、目線の移動、へらっとしているところをなくすようにしました」と落ち着きのない仕草をステージ上で見せ、「動いてないと本当に死んじゃうんですよ。逆に“たとえ”はビクともしないんで(笑)」と素の自分との違いに苦戦した様子。芋生は「たとえ君と愛ちゃんとの関係性はずっと意識していた」と明かす。

 緊張したシーンについて芋生は、“たとえ”・愛・美雪の3人が、“たとえ”の実家に乗り込み“たとえ”の父親(萩原聖人)に東京行きを直訴するシーンだったといい、これには作間も同意し、「かまぼこを切るのに、なんであんな切れ味の悪い包丁を使っているのか(笑)。萩原さんがすごく怖かったので…」と振り返った。また、萩原の胸ぐらを掴むシーンは、作間にとって初の“胸ぐら掴みシーン”だったと語り、「初めてで、指がめちゃめちゃ痛かったんですよ! 胸ぐらを掴むと、こんなに痛くなるんだって(笑)」と初めての貴重な経験を振り返った。

 “たとえ”が愛の顔を両手でつかむシーンについて、「あのシーンだけは“たとえ”から愛ちゃんに歩み寄っていて、“たとえ”の心境の変化があったのか?」と観客から質問が飛ぶと、作間は「あそこで初めて愛の顔をちゃんと認識したんです。こういう顔してたんだって。“たとえ”が心を開いたというか、そういったものが詰まっているシーンなのではないかと思います。心から目が合うというシーンで、すごくきれいなシーンですよね。鶴が舞っていて…」と返答。首藤監督は「たとえ君と愛ちゃんの歩み寄りというのは脚本段階でずっと悩んでいたので、たとえ君として顔を認識してくれたのはうれしいですね。鶴を舞わせるのはすごく大変でしたが、撮れてよかったです」と感慨深げに語った。

 さらに、まだ経済力もない“たとえ”と美雪だが、「東京に出てから2人はどうなると思いますか…?」という質問が出ると、芋生は「美雪はこんなにやっておいて、実はずっと“たとえ”と一緒にいる気がしないんですよね」とビックリ発言。作間も2人の経済力を鑑み「現実的なことに直面したらね。まぁ難しいですね…」と考え込むと芋生が「続編作りますか(笑)?」と提案し、首藤監督も「10年後とか結構考えますよね…」と、それぞれがその後の3人に思いを馳せた。

 さらに、劇中で“たとえ”が愛に「貧しい笑顔だね」と言うシーンについて、「首藤監督はもっと突き放す感じで言って欲しかったと仰っていましたが、今その感じで見せていただくことはできますか?」という無茶ぶりを受けた作間は、「やばいのきたな…(笑)」とこぼしつつ、「すごく楽しい『貧しい笑顔だな』になっちゃいますよ(笑)。あのイメージのまま、皆さんお帰りください」とやんわり逃れて、会場を笑わせた。

 山田と作間、芋生の3人で1回だけ現場でオフトークした時があったといい、その時について芋生は「たとえ君(作間)が『どんな顔で話していいかわからない』と言っていたのが印象的です」と話すと、作間は「それは作間ですね(笑)。愛と美雪が一緒にいるのも、恐かったです…」と当時の正直な心境を明かしていた。

 最後には、芋生が「上映が始まってからたくさんの方に観ていただいて、この作品がちゃんと届いているんだなと実感しています。キャストスタッフみんなで一緒に頑張って作った作品なので、今後も皆さんにすすめていただけたら」と呼びかけ、作間は「いま質問いただいて、僕自身も気づいたことがあったり、観る視点を変えるだけでいろいろ考えられる映画になっていると思います。もっとたくさんの方に観ていただけたらいいなと思っております」と締めくくった。

 同映画は、芥川賞作家・綿矢りさ氏が、高校生の思いつめた恋心、暴走する想いを描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説『ひらいて』を映画化。学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の“愛”の熱い恋心は、彼の“恋人”にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいく。エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた物語。