『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『銀魂』などの人気アニメに出演し、櫻井孝宏や東山奈央などが所属する事務所の代表も務めている声優・鈴村健一(46)。そんな彼が主宰・総合プロデューサーを務め、人気声優たちが出演する即興舞台劇『AD-LIVE』(アドリブ)が今年も開催される。大阪公演(メルパルク大阪)の10月9日は下野紘、前野智昭、10月10日は蒼井翔太、安元洋貴が出演するが、このキャスティングの狙いと裏側を聞いてみた。

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■エンターテイナー・下野紘×技巧派・前野智昭のタッグ「面白い!に決まっています」

 『AD-LIVE』は、大まかな世界観と舞台上で起こるいくつかの出来事が決められているだけで、出演者のキャラクター(役)、セリフは全てアドリブで紡がれる。何が生まれるのかわからない要素と、あらかじめ決まっているいくつかの出来事の化学反応により、その日その瞬間、その場だけの感動と衝撃のドラマが生まれることが、ファンの間で人気となっている。

――大阪公演1日目は下野紘&前野智昭コンビという、ボケもツッコミも両方できるお二人です。今からどのような舞台になるのか個人的にも楽しみな組み合わせになりました。

【鈴村】 「絶対、おもろいやん!」この一言に尽きます(笑)“面白い”以外の要素はゼロですが、絶対に面白い舞台になることは間違いないと思います。それくらい強いマッチングになりました。

 どちらもボケとツッコミができて、前野君は特に過去の公演で多くの奇跡を起こしてきたので、私の中では“奇跡のファイター”と呼ばせていただいております。彼が地ならしするからこそ、面白いワードが飛び出たり、彼のコントロールが巧みだからこそ起きる奇跡があるのです。徹底的に準備をしてきますし、その場で起きたことを楽しめる役者です。舞台に立つ前は緊張しているのですが、本番では誰よりも楽しんでいますので、「伸び伸びできる人と組ませたい」と思い下野君の名前があがりました。

 下野君は昨今の大ブレークを見ていると、役者としてより経験値を積んだように思います。「面白いことをしてやる!」という塊で、『AD-LIVE』において“歌う”パフォーマンスは彼の一番の見せ場になっています。すごいと思うのはファンの方々は、彼が“歌う”ことを期待して舞台を観ているのですが、毎回、期待を超えるクオリティーを出すのです。エンターテイナーは、「期待に応えて予想を裏切る」だと私は思っているのですが、彼はそれを体現しています。

――お話を聞くと、前野さんが下野さんをコントロールできるのか? 下野さんの予想外の行動に前野さんがどのように対応するのか? さまざまな見方ができそうですね。

【鈴村】 下野君は「変わったことをしてやる!」という貪欲さもあり、『AD-LIVE』史上一番のバッドエンドを作りました(笑)。ほかの出演者の方は、ハッピーエンドになるように物語を進めていくのですが、彼の場合どうしてもバッドエンドになってしまう。それが「なぜなのか?」と言うと、「人と違うことをやりたい」という意欲の表れなのです。それが彼の根幹にあり、エンターテイナーなんですよね。そんな下野君と前野君がタッグを組むのですから、それは「面白い!」に決まっています。攻めに攻めた舞台になるでしょう。

■安元洋貴は「人の話を上手に聞ける人」 蒼井翔太のシリアス展開に期待

――最終公演は蒼井翔太さんと安元洋貴さんのコンビです。安元さんはバラエティー番組などで“蒼井さん好き”を公言しておりますので、安元さんにとっては、かなりうれしい組み合わせになった気がします。

【鈴村】 安元君にはいつか『AD-LIVE』に出演してほしい思いがありました。『AD-LIVE』のキャスティングにおいて、大事にしている指標があるのですが、それは「ラジオがうまい人」。ラジオの進行は芝居の勉強になると思って、私もずっとやっているのですが、ラジオトークがうまい人は「話し上手」ではなくて、「人の話を上手に聞ける人」「ちゃんと人の話を聞ける人」だと思っています。

 安元君はトークが上手で、あらゆるネタを拾っていけるタイプで、かつ、それを自分の言葉に変えて話を広げるトーク能力がずば抜けている役者さんです。そんな人は『AD-LIVE』に向いていますし、安元さんが伸び伸び一番お芝居できる人は誰だ?と考えた時に、「彼がマッチングしたそうな、したいと思う人にしよう」と思い蒼井君にオファーしました。

 蒼井君は過去の公演に出演した際、多くの表情を見せてくれました。それと同時に、やらかすことも多いので、安元君も“拾いがい”(やりがい)があると思います(笑)。私が一番楽しみにしているのは、蒼井君は毎回シリアスなドラマを作るので、すごく真面目な安元君が「どのように対処するのか?」が気になるところです。千秋楽に『AD-LIVE』史上最高の感動ドラマが生まれるのではないかと期待しています!

■『AD-LIVE 2021』公演概要

 今年のテーマは「if ~建前と本音~」。「もし、あのときの選択が違ったら人生はどうなっただろう…」。そんな誰もが思い描く「if」の世界を二幕構成で展開する。物語は一幕、二幕ともに同じ設定で展開されるが、キャストは一幕では「建前」を、そして二幕では「本音」を演じる。

 ユメノスケ役のCVを鈴村が務めるほか、大阪公演(メルパルク大阪)の10月9日は下野紘、前野智昭、10月10日は蒼井翔太、安元洋貴が出演。チケット価格は全席指定7500円、全国の劇場でライブ・ビューイングも実施する。(※東京、埼玉公演はすでに終了)