女優の杉咲花(24)が主演する、日本テレビ系連続ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(毎週水曜 後10:00)が6日よりスタートする。杉咲が演じるのは光と色がぼんやりわかる程度の弱視の盲学校生・赤座ユキコ(あかざ・ゆきこ)。実際に盲学校に行って話を聞いたり、視界をメガネで再現しながら白杖を手に歩いたりしたという杉咲が、その経験から得た学びとともに、“普通”とはなにか、ラブコメディでありながらもそんな問いも投げかける今作への想いについて語ってくれた。

【動画】『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』予告

 WEB連載での閲覧数累計2000万PVを突破した人気漫画『ヤンキー君と白杖ガール』(うおやま/KADOKAWA)を実写化。勝ち気でポジティブ、ちょっと天然な弱視の盲学校生・ユキコと、けんかっぱやいけど純粋な不良少年の森生(杉野遥亮)。運命の出会いをした二人がお互いの事を理解し、引かれ合っていく。ギャグとラブコメ要素がふんだんに盛り込まれた物語を描く。

 「ユキコは弱視であることに葛藤や悩みを抱えながらも、少しずつそれを乗り越えながら進んできた人。それまでの時間をどんな風にすごしたのかを自分の中に落とし込めたらいいなと思っています。」と演じる上で意識を語る。その上で「白杖を持って外を歩いたり、メガネを作ったりしました。クリアファイルを2枚分重ねるとユキコの視えている視界と近い状態だと教えていただいたので、それを参考に作ったメガネを通して、家の中や道を歩いてみました」と実際に彼女から視える世界を体験した。

 その感想は率直に「怖かったです」とする。「視界がぼんやりとした状態で杖一本で歩いていると、点字ブロックのない場所が結構あることに気付いたり、車が目の前で急に止まったりすることもあって。実際にやってみることで、自分の想像だけではわからなかったたくさんの学びがありました。身体を使って理解すること、自分のなかに腑に落ちる点を作ることが大切なのかなと思います」とユキコを自らのなかに落とし込んでいった。

 そのほかにも「実際にロケ地に行ってみて、例えばお芝居で使用するベンチや自動販売機など、触れるものとの間合いを確かめながら動くことを繰り返すなかで、少しずつユキコとしての感覚をつかめてみた気がしています」と手応えをみせる一方で「メガネをかけていると、視界の状態を理解しながら動くことができますが、もちろん本番では外さなければいけないので、その時の感覚を思い出しながらお芝居することはやはり難しいなとも思います」と手探りながら丁寧にキャラクター像を構築している。

■朝ドラ『おちょやん』後初のドラマ 経験糧にしながらも「新しい挑戦」

 実際に、視覚障害のある方にも話を聞いたそう。「一番印象に残っているのは“白杖を持っているのは全盲の方だけではないことを知ってもらいたい”とおっしゃっていたことです。今はまだその認識があまり世間に浸透していなくて、弱視の方が携帯電話を見たり、目線を合わせたりすると驚かれてしまうこともあるそうです。弱視の方にとっても白杖はとても大切なもので、視覚障害といってもさまざまな症状があるということを私自身も知ることができました。また、白杖を持つという選択をするまでに時間がかかったというお話や、この先視力が低下していってしまう方が家族になかなか打ち明けられないというお話、周りに迷惑をかけたくないという思いや今の状況を受け入れることに時間がかかる方もいらっしゃったりして、そんなさまざまな思いを教えていただけたことは、とても貴重な時間になりました」。

 撮影はまだ始まったばかりだが「3ヶ月の間でユキコとしてどんな感情がでてくるのか、そして現場の皆さんとどんな時間を過ごしていくことができるのか、緊張もありますがとても楽しみです。原作で描かれていない部分もドラマの中で描かれていくので、そこも楽しんでいただけたらうれしいです。ユキコのぶっきらぼうだけど本当はチャーミングなところや森生にしか見せない表情なども意識しながら表現していきたいです」と意気込む。ツンデレな一面や自らの障害に対してもポジティブに受け止めるユキコの魅力をどのように演じるのかにも期待が高まる。

 また、今作は今年5月まで放送されたNHK朝ドラ『おちょやん』後、初のドラマ出演となる。「朝ドラで経験させていただいたことは本当に特別な時間になりました。もちろん事前に台本を読みながら演じる役の感情を考えることはありましたが、現場に行ってから初めて出てくる感情が本当に多くて。あれだけ長い時間、一人の役を演じさせていただくことができたからこそ出会える感情ばかりでした。

 朝ドラという長い時間をかけてひとつの役を演じられる特殊な環境だったからこそ、出会えた感情もたくさんあったのではないかと思いますが、これからも自分の想像を超えられるような表現につながるように、挑戦していきたいと思います」と奮起する。

 今作では弱視のユキコと顔に傷のあるヤンキーの森生、日々を過ごしながらも見た目や抱えているものに引け目を感じていた二人が出会い、少しずつ変化が生まれていく。「このドラマでは、コンプレックスを抱きながらも少しずつ進んでいく登場人物がたくさん出てきます。そんな姿がなんだか身近に感じられたり、勇気をもらえるような作品になったらいいなと思います。そして第1話のラストシーンではユキコと森生の“普通”の概念がある意味覆されるような、見えていた景色が明るくなるようなシーンになっているのではないかと思っています」。