人気グループ・King & Princeの神宮寺勇太が、11月8日から東京グローブ座、12月1日から大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される舞台『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より-に主演することが14日、決定した。全8編の短編戯曲からなり、国内外からの評価を集める三島由紀夫の代表作『近代能楽集』の2篇を連続上演する。神宮寺は『葵上』で美ぼうの青年・若林光、『弱法師』では戦火で視力を失った二十歳の青年・俊徳として、初の単独主演舞台でストレートプレイに挑戦する。

King & Prince・神宮寺勇太のTV出演情報

 今作は小説家としての活動にとどまらず、劇作家としても数多くの作品を生み出し、早くから謡曲にも親しんできた三島が『能楽の自由な空間と時間の処理や、露わな形而上学的主題などを、そのまま現代に生かすためにシチュエーションを現代化』したといわれる作品。能の物語を現代の設定へと落とし込みながら、現実世界を超越した能の幽玄さが違和感なく融合する独特の世界観が、演劇的にも最大の魅力となる。

 『葵上』は『源氏物語』を原典に、能楽、そして近代劇へと移り変わりながらも時代を超えても変わることのない、嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描いた作品。三島自身が「一番気に入っている」と語る魂魄の劇。さらに『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が、いかに大人の世界に復讐するかを軸に、滑稽(こっけい)にも見える両親とのやり取りと、主人公がこの世の終わりを語る長ゼリフ、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後の台詞が印象的な作品となる。

 演出は、ストレートプレイからミュージカル、近代古典など多方面にわたる作品を手掛け、確固たる演出力で作品を創り上げてきた宮田慶子氏。これまでトークイベントやリーディング形式の上演で「近代能楽集」の作品をひも解いてきた宮田氏が、この独特の作品世界をどう表現するのかにも注目だ。

 共演は、2016年『魔術』以来5年ぶりの舞台出演となる中山美穂が、『葵上』では光のかつての恋人・六条康子を、『弱法師』では俊徳を救おうとする調停委員・桜間級子を演じる。さらに『葵上』には、佐藤みゆき、金井菜々、『弱法師』には篠塚勝、木村靖司、加藤忍、渋谷はるからが参加する。

■キャスト・スタッフコメント

【神宮寺勇太/King & Prince】
今回、初めて単独での主演舞台をやらせていただく事を聞いた時、心臓のビクン!とする音が聞こえました。主演として舞台に立たせていただける喜びと、自分にどこまでできるのかな?という思いが同時に駆け巡りました。ストレートプレイに挑戦させていただくのも初めてですし、いろんなことが初めてづくしな作品になります。
『葵上』と『弱法師』の2作品の役を演じる事は、決して簡単ではないと思いますが、この2つの作品を演じ切ることができた後に演じる事の楽しさや、表現の幅が広がっているように、全身全霊で稽古に臨みたいと思います!
来ていただけるお客様に今まで見た事のない、神宮寺勇太を大放出したいと思いますので、よろしくお願いします!

【中山美穂】
長い芸能生活の中で、お芝居の舞台というのは1度しか経験が無く、正直不安でいっぱいです。古典文学から近代劇にされた三島作品2作ですから、なおさら歴史の重みを感じています。人間の奥深い感情を、ストレートに演じることになると思うのですが、演出の宮田さん、キャストの皆さんと丁寧に思いを込めて演らせていただきます。何より、足を運んでくださるお客様に満足いただける『葵上』、『弱法師』をお届け出来るよう、努めて参ります。よろしくお願いします。

【宮田慶子】
美しく格調高い台詞で織り上げられた三島由紀夫氏の戯曲は、同時に人間そのものに対する、冷徹で、時に辛辣なまでの深い洞察力に貫かれています。能の謡曲をもとに、その特色である「自由な空間と時間の処理」を生かして書かれた「近代能楽集」は、時を越えてなお、その演劇的輝きを失いません。
『葵上』と『弱法師』は、どちらも魂の自立を求めて揺れ続ける青年がドラマティックに描かれます。一筋縄でいかないこの二人の青年に、神宮寺勇太さんが挑戦します。純粋さと毒気を描き出してくださることを楽しみにしています。そして両作品を、魅力あふれる中山美穂さんが支えてくださいます。時空を行き交う、感性を揺さぶる舞台にしたいと思います。

■あらすじ
『葵上』
深夜の病院の一室。
若林光は入院する妻・葵の元を訪ねる。看護婦から、真夜中になると見舞いにやってくるブルジョア風の女のことを聞かされる。 光が病室にいると、かつて光と恋仲であった六条康子が現れた。毎晩、葵を苦しめていたのは康子の生霊であった。
康子の生霊は、再び光の愛を取り戻そうと昔の思い出を語り出す。次第に、光は葵のことを忘れそうになるが、葵のうめき声で我に返り、康子を拒絶する。康子の生霊は消えていったが…。

『弱法師』
晩夏の午後。家庭裁判所の一室。2組の夫婦が、俊徳の親権を争っている。
高安夫妻は俊徳の生みの親である。俊徳が戦火で両親とはぐれ、火で目を焼かれて失明し、物乞いをしていたところを川島夫妻に拾われた。それぞれに権利を主張するも、俊徳はそれを嘲笑し、育ての親はどれい、生みの親は救いがたい馬鹿だと言い放つ。
平行線をたどる話し合いに業を煮やして、調停委員である桜間級子が俊徳と二人だけで話をすることになり…。