ペンギンやチンアナゴと比較するとファンが少ないようにも思われるオオサンショウウオだが、実は全国に数万~数十万のファンが存在するのではないか、と言われている。国の特別天然記念物にも指定されているオオサンショウウオは、世界最大級の両生類で、ずんぐりとした体形や大きな口、逆に小さすぎる目など不思議な見た目が特徴的だ。

【写真】京都水族館からライブ中継されたオオサンショウウオ(キャプチャー)

 9月9日は「オオサンショウウオの日」に認定されており、日本最大級のオオサンショウウオの展示水槽を持つ京都水族館が一般社団法人日本記念日協会へ申請し、2018年4月に認定された。オオサンショウウオの姿が数字の「9」に似ていることや、9月頃に繁殖のためオオサンショウウオが活発になることが由来となっている。

 19年に開催された99時間LIVE配信「オオサンショウウオ99時間生中継」ののべ視聴者数は37万人弱にのぼった。同水族館が企画販売する「超特大オオサンショウウオぬいぐるみ」(全長約170センチ、店頭価格2万6196円)は、累計1300個以上売れており、同水族館が監修し、クロスホテル京都に誕生したオオサンショウウオをモチーフにした1室限定の客室「OH!san View Room」は、販売開始58日間で47組約120人が宿泊(8月17日現在)。ブーム到来は目前だ。

 毎年「オオサンショウウオの日」にさまざまなイベントを開催している京都水族館。今年は「オオサンショウウオを眺めながら寝落ちしよう」という斬新な睡眠導入ライブ中継「オオサンショウウオとねむリウム」が初開催され、約3300人が鑑賞料(100円)を払って参加した。

 東京のすみだ水族館と京都水族館による参加型ライブ水族館「まいにち水族館」の企画第1弾として、9日午後10時からオオサンショウウオの水槽の映像をライブ配信し、そのまま安眠を促すという試み。

 配信直前の午後9時半頃からTwitter上では、「布団の中で待機中」、「かえって寝られなくなりそう」といった期待の声が見られ、配信開始後は「#オオサンショウウオとねむリウム」というハッシュタグとともに、飼育スタッフへの質問や感想が絶え間なく投稿され、配信終了の深夜0時までの間におよそ2000件ものツイートが確認された(主催者調べ)。

 配信中は、飼育スタッフが入眠を妨げないよう静かな声で質問に答えた。オオサンショウウオは、「体は粘液でぬるぬるですが、体を支える時に岩で滑らないように手の部分はぬるぬるになっていません。指の数が前足と後ろ足で違っていて、前足は4本、後ろ足は5本です」「この手を見ていると、握手をしたくなっちゃいます」。「1番かわいいポイントは、小さな目です。あまりよく見えてはおらず、ごはんの時にほかの個体に噛み付いてしまうくらい見えていないです」「見てくださいこの口元、口角があがっていて素敵です」など。

 参加者からは、「めちゃくちゃ幸せ 飼育員さん達もすごく丁寧に話してくれるからこれは余裕で寝落ちできる 幸せな1日」「京都水族館のオオサンショウウオとねむリウムが本当に癒しすぎて なんなら飼育員さんの話も可愛い! 毎日見たい。また行きたいなぁオオサンショウウオ見に!! かわいいよぉオオサンショウウオ!!」「#オオサンショウウオとねむリウム サブスクにしてください。毎日オオサンショウウオちゃんと寝落ちしたい...」「飼育員さんトークが面白すぎたので寝落ちはしなかったけど寝つきがすごく良かったらしく爽やかな目覚め。オオサンショウウオに癒し効果は実在した」など、翌朝にも「素敵な癒しの時間でした」、「無事寝落ちした」といった報告が寄せられた。

 先行体験したさかなクン(国立大学法人東京海洋大学名誉博士/客員准教授)は、「すギョ~くねむたくなる心地よさでギョざいます。オオサンショウウオちゃんのスローモーさ」と、ののんびりゆっくりした動きが心地よさを誘うと指摘。落語家の林家たい平は「オオサンショウウオは1日の終わりに、毎日バタバタしている自分を反省、のんびりが一番だよなぁと思わせてくれた」と、コメントを寄せている。

 眠りのスペシャリスト、一般社団法人日本睡眠教育機構による睡眠健康指導士上級資格を持つ犾守直子さん(テンピュール・シーリー・ジャパン マーケティング&ダイレクト営業部上級睡眠健康指導士)は、「疲れた日の夜に見たくなるライブ中継だと思います。ずっと見ていたくなるというか、オオサンショウウオをここまでじっくり見たのは生まれてはじめてですが、予測できない動きがとても面白く、癒されますねぇ」と、オオサンショウウオの魅力を発見。「ただ、寝落ちまでは、しませんでした」。

 なお、「オオサンショウウオって自宅で飼えるのでしょうか?」という質問に飼育スタッフは「逮捕されてしまいます。自分もかわいいオオサンショウウオを飼ってみたいのはやまやまですが、特別天然記念物なので、触るだけでも捕まってしまう。川で見つけた時は触らず、そっとしておいてください」と、注意を呼びかけていた。

 参加型ライブ水族館「まいにち水族館」での「ねむリウム」は今後、別のいきもので展開予定。次回はすみだ水族館からライブ中継予定。