アニメーション映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のトークイベントが11日、都内で行われ、キャラクターデザイン原案の美樹本晴彦氏、メカニカルデザイン原案の森木靖泰氏、KADOKAWA顧問の井上伸一郎氏が参加した。

【写真】雑誌に掲載された当時のペーネロペーのイラストを見る登壇者たち

 1989年から1990年に出版された小説版の同作でキャラクターデザインを担当した美樹本氏は「アニメは素晴らしいものが上がってきた。そこのキャラクター原案という形でクレジットを出していただけるのは光栄です」としみじみ。同じく小説版でメカニカルデザインを担当した森木氏は「30年前に、この仕事をやっておいてよかったと思い返しております。すごいクオリティの劇場版でした」と振り返った。

 改めて劇場版を見た感想を問われると美樹本氏は「とにかくクオリティが高い。30年前ですと、ギギの描写が実は理解できなかった。ああいう複雑な女性の反応は当時まったく理解できなかった。今でも得意ではありませんけど(笑)。映画で芝居がついて、表情がつくと、なるほど、こういうキャラクターだったのかと改めて認識した。魅力みたいなものがわかった」と笑顔を見せた。

 「マクロス」シリーズで知られる美樹本氏だが、サンライズの玩具部門で働いていた過去があり、「ガンダム」シリーズと古くから関わりがあったそう。『閃光のハサウェイ』には、歴代のシリーズに登場するブライト・ノアも登場するが、ヒゲを生やした風貌となっている。井上氏が「いい驚きだったのがブライトにヒゲがはえていたこと。あれは美樹本さんのオリジナル」と裏話を告白。美樹本氏は「キャラクターを書く上で年を取った感じを出す小手先の技の1つとして、ヒゲはある」とぶっちゃけながら「ブライトはファンとしてガンダムを見てきて、非常に好きなキャラ。あの位置づけは今までのアニメーションでは見られなかったポジション。いいタッチで書かせていただけたらなとは思った」と明かしていた。

 また、安彦良和氏が「ガンダム」シリーズから離れていたタイミングだったこともあり「そのピンチヒッター的な感じ」で『閃光のハサウェイ』に携わったそう。「安彦さんの画は大好きで当時は模写していた。プロになってから。それはよろしくないだろうと思って、ほかの方の画の模写は趣味でもやめた。でも、仕事でいただくなら、堂々と描けるじゃないですか。嬉々として書いていた」と裏話。「ギギに関しては、正直とらえどころがない。今でもとらえられないかな。映画を見て感じたんですが、止まっている画だけで作れるキャラクターじゃない。小手指の技で、どうにかなるキャラクターじゃなかった。30数年前に描くのは酷でしたね、自分にとっては」と懐かしんでいた。

 小説では、悲劇的な最後を迎える。美樹本氏は「ショックでしたよね…」と一言。続けて「最後の部分よりも『うわっ』と思ったのはエピローグ的な部分。一筋縄ではいかない話だな、と。読んでいてもグッと締め付けられる感じはありました」と当時の心情を振り返っていた。

 同作は、2019年に迎えたガンダム誕生40周年、さらに宇宙世紀の次の100年を描く「UC NexT 0100」プロジェクトの映画化作品第2弾として制作される宇宙世紀サーガの最新作であり、アムロとシャアによる最後の決戦を描いた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)の世界観を色濃く継承する作品。反地球連邦政府運動「マフティー」の戦いを縦軸に、そのリーダーであるハサウェイ・ノア、謎の美少女ギギ・アンダルシア、連邦軍大佐ケネス・スレッグの交差する運命を横軸に描く。