36歳で女装に目覚め、SNSに続々と美麗な写真を投稿している井川るいさん。“すっぴん”の状態と変身後の写真の比較ツイートでは、その変化のふり幅も注目された。そんな井川さんにインタビューを実施し、女性装を始めたきっかけや、美容に対するこだわりを聞いた。

【ビフォーアフター】「本当に同一人物!?」1年でここまで変わるのか… “普通のおじさん”が“美女”になるまで

■36歳で性同一性障害と診断…「見た目が男であることへの嫌悪感から女装するように」

――女装前後の写真を並べてツイートしていましたよね。

【井川るい】流行りに乗った…というのが正直なところですね(笑)。ビフォーアフターを掲載したツイートがバズっているのを結構見ていたので。ギャップっておもしろいじゃないですか。

――たった1年ほどでこれほどの変化を遂げられたのはすごいことだと思います。

【井川るい】女装に取り組むようになったのは36歳のときなんです。それまでは見た目に気を使ったこともないし、スキンケアなんてしようと思ったこともなくて。まずは洗顔から始めて(笑)、1年間毎日、肌ケアをコツコツしていくうちに、少しずつ変わっていったんです。

――それをさらっと言えてしまうところが、井川さんのすごいところですね。女装を始めたきっかけはあったのでしょうか?

【井川るい】36歳になる年の春、自身に性別違和があることに気づき、クリニックに通うようになったんです。その結果、「性同一性障害ではないか?」と診断され、自分自身の内面と向き合うようになりました。見た目が男の身体であることの嫌悪感から、女装に興味を持つようになりました。

――普段は美麗なお写真をアップしているSNSで、素の状態の写真をアップすることに迷いや抵抗、葛藤はありませんでしたか?

【井川るい】フォロワーが減るだろうな…という不安はありました。でも、「かわいくなった!」とか、「変化がおもしろい!」といった肯定的な意見もたくさんいただけたので、それに関しての後悔はないです。SNSだけでなく、リアルでお会いした方からも好評です。もちろん加工や、撮影の技法による恩恵も大きいんですけど、女性からもメイクについて褒めていただけるのは純粋に嬉しいですね。

――いま現在、ご自身の中では「素の状態の容姿」を受け入れられているのでしょうか?

【井川るい】コンプレックスは解消されずに残ったままです。男の身体と女の身体は、本当にぜんぜん違っていて、顔の骨格だけでもあちこちに特徴があるんですけど、私はそのすべてにコンプレックスがあって、嫌で嫌で…。性別違和に気づいた当初から1年間くらいは、毎日鏡を見るたびに大声を出して咽び泣くくらい、病んでいましたね。

■女装をするうえで気を付けるのは“肌質”「見えない部分も徹底して女性に」

――女装をするうえで意識していることや、気をつけていることを教えてください。

【井川るい】私の場合はコスプレではないし、整形もしていないので、「肌質を女性に近づける」を意識しています。あと、女装をされる方の中には、見えない部分は何もしない…という方も多いのですが、私はすべてをちゃんと整えないと気が済まないので、ムダ毛は全身剃りますし、下着も女性用のものを用意して。歩き方や話し方なども女性に近づけるよう意識しています。

――いま現在、美容面で苦労されていることはありますか?

【井川るい】年齢との戦いはこれからも続くんだろうなって思います。素の状態だと40歳手前になるまで、いっさい肌の手入れをしてこなかった、ただのおじさんですので(笑)。シワだらけ、脂まみれの肌をいかにして改善していくか? そのための努力や勉強に終わりはないです。

――女装に励むようになって、「良かったな」と思えることがありましたら教えてください。

【井川るい】まずは、それまでだとお会いすることがなかったであろう大勢の方と、交流する機会を持てたということですね。逆に、女装という行為を通して、自分自身は「男である」という現実も突きつけられて。それによって、余計に辛くなる時期もありましたが、今は「自分を偽らずに楽しく生きる」を目標に掲げて、充実した生活を送れています。自身の生き方について悩み、それを乗り越えるというプロセスを経たことで、なりたい自分になるための活動に費やすエネルギーを充電できました。

――悩んだり葛藤した経験が、今ではすべてプラスになっているというわけですね。それでは最後に、今後の目標を教えていただけますか?

【井川るい】とにかく何でもやりたくなる性分なので、まずはYouTubeですね。企画の概要はすでに固まっていて、今は環境を整えているところです。女装とはまた違う形で、私自身をコンテンツとしてお見せしていくアイデアをいろいろと練っていますので、ご期待いただければ!

取材・文/ソムタム田井