人気ドラマ『相棒 season19』(テレビ朝日)にレギュラー出演するなど脚光を浴びる篠原ゆき子が主演を務め、親友役で倉科カナ、毒母役で高畑淳子らが共演する映画『女たち』(公開中)から、役に入り込みすさまじい熱量を放つ“女優たち”のメイキング映像が解禁された。

【動画】篠原ゆき子×倉科カナ×高畑淳子、メイキング映像

 メイキング映像は、篠原、倉科、高畑それぞれによる3場面から構成されている。 はじめの映像は、倉科に「あの共演はまさに “ゴジラVSコング”を彷彿とさせる」と言わしめた、篠原と高畑が感情を爆発させ、本気の叫び・呻き声・首絞めと、映画の枠を超えた壮絶なシーンを撮り終えた後の篠原の様子を見ることができる。

 本作の公開事前イベントで、MCを務めたフリーアナウンサーの笠井信輔が、“泣きのデパート”と称したほど、レパートリー豊富な泣きの表現に定評がある篠原。本作のこのシーンでは鼻水を垂れ流していることに気が付かないほどに集中し役に入り込んでいたという。

 脚本作りから携わっていた篠原は、1年間もの歳月、主人公・美咲について考えてきたため、いつのまにか自分のなかに美咲のエッセンスが入り込んでいた、と本人も取材等で話している。“鼻水”は、美咲になりきった篠原だからこその表現で、カットがかかった後もしばらくは鼻水が止まらず、泣き止むことのできない姿がメイキング映像に収められている。

 また、篠原は撮影の後半、「役に入り込みすぎて美咲と自分・美津子と高畑さんの境界線が曖昧になってしまい、高畑さんが普段のように話しかけてくださったのに責められているような気持ちに陥り、泣いてしまった」と役に入り込みすぎたが故のエピソードも披露しており、その仕事への情熱、取り組む姿勢、真摯(しんし)な態度に感銘するほど。

 続いては高畑演じる美津子の場面。撮影前、内田伸輝監督に「ご相談がしたいことがあって、持参したカッターで封筒を切りたいんです」と持ち掛ける高畑。手紙を開封するシーンでの提案で、美津子の半身不随の症状とそれに伴う生活の習慣について、美津子と向き合い、解釈し監督とディスカッションをした上で、高畑の提案が本編に取り入れられている。

 『第43回モスクワ国際映画祭』のメインコンペティション部門に、日本映画として唯一選ばれた本作。受賞は逃したものの、映画祭の公式記者会見で現地記者が「本当にハンディキャップがある方なんですか?」と質問するほどリアルを追求した演技で、「本読みの段階からすさまじかった」と篠原も語っている。本作での高畑の演技は剥き出しで生々しく、倉科も「高畑さん、顔がもう高畑さんではなく別人だった」と述懐しているほど、まさに美津子が憑依している様子がこのメイキング映像からもうかがい知ることができる。

 最後は倉科の映像。当初、晴れの設定だったという本シーンは突然の豪雨に見舞われ、急きょ一発本番、10分もの長回しでの撮影に切り替わり、現場には緊張感が走った。豪雨の中撮影に踏み切ったのは、「本作において天候や気候、環境がすべて力・味方になってくれていると感じていて、雨も味方してくれるのではないかと思ったから」だと倉科は打ち明けている。

 本シーンは雨のため、リハーサル無し。当初の脚本からも変更になっているため、考えるというよりも衝動に任せて役を演じた、と倉科は語る。さらには、酔った香織を演じるにあたり、ワイン瓶を丸々2本飲み干して撮影に臨んだという役作りを徹底した倉科。翌日、太ももに身に覚えのない大きなあざができていたというエピソードも暴露しており、これは衝動に任せて演じた際に、ワイン瓶で足を殴ったものだったという。そんな倉科のこん身の演技に心打たれ、涙をこらえるスタッフの姿も見てとれる。