新型コロナウイルスの感染拡大から早1年以上が経った。長引く外出自粛やテレワークの普及により、新しいライフスタイルも定着しつつある昨今。家庭のお金の使い道にも、何かしらの変化が生じていることだろう。そこでORICON NEWSでは、10代~50代の男女を対象にアンケートを実施し、子どもを持つ回答者の声をピックアップ。子育て世帯で最も使う金額が増えたのは【食費】。外食が極端に減ってもトータルの食費は増加傾向にあるようだ。

【ランキング】コロナで増えたお金と減ったお金、子育て世代のTOP5は?

■在宅時間が増え家族の健康促進メニューの増加や お取り寄せ需要の高まりが食費に上乗せ

 「コロナ感染拡大以前(2020年より前)と比較して、あなたの家計の出費は変化しましたか?」との問いに対し、【変わらない】と答えた人が48.5%いる一方で、【増えた】人は30.3%、【減った】人は21.2%という結果に。実に半数以上の家庭で、コロナの影響によって家計が増減していることがわかった。

 使う金額が明らかに増えた項目として最も多かったのは【食費】で、74.5%にのぼっている。子どもたちの学校が休校になったり、オンライン授業が増えたこと、さらに大人はテレワークの徹底により、家族全体の在宅率が増えたことが大きな理由として挙げられる。

 外出自粛により、家で楽しめるようお菓子やパン作りに挑戦する人が増え、一時スーパーマーケットでは小麦粉が品切れ状態になったことも記憶に新しい。ユーザーコメントでは、「毎食家族が家で食事。休みの日は朝昼夜としっかり食べるし、飽きないように少し品数も増やしているから」(千葉県/女性/40代)など、家族の健康も考え、毎日食事の支度をする母親たちからの嘆きの声も多数寄せられた。

 また「まとめ買いをする機会が増えたり、ついでに安いものをたくさん買ったりと、結果的に支出が増えた」(愛知県/女性/40代)という人も。新しい生活様式にシフトしていくことで、買い物の仕方に変化が生じていることの表れといえる。

 さらに、旅行や外食などが自由にできなくなった分、お取り寄せなどで“食の楽しみ”を追求した結果、支出が増えたという人も増えているようだ。


■マスクに除菌アイテム…1年以上前にはなかった“必要経費”

 【食費】に次いで多かったのが、【日用品】(53.7%)と【水道光熱費】(47.2%)。【日用品】については、「在宅時間が増え使う量・頻度が増えた」という理由もあるが、やはり“コロナ前はそれほど使わなかったもの”の購入頻度が上がったことが大きな要因だろう。

「マスクや消毒液や除菌シートなど、今まではほとんど買ってなかったものを買うようになり、使用頻度もかなり多い。こまめに手洗いもするため、ハンドソープもすぐなくなる」(兵庫県/女性/40代)、「マスクやウェットティッシュなど今まで購入していない物を買ったり、肌が荒れるので化粧水もいろいろ必要だから」(三重県/男性/20代)という声が。

 平時なら店舗で安いものを見つけて買えるが、コロナ禍による外出自粛の意識の高まりや、買いだめで商品が一時的に品薄になることも多かった。今では供給もだいぶ安定してきてはいるものの、「やむを得ずネットで購入する」ケースも多い。「医療ケアを含む介護をしているので、介護用手袋や除菌用品、ハンドソープや消毒用液などの必需品がことごとく手に入らなくなり、ネットで割高なものを確保するしかありませんでした」(東京都/女性/40代)と、オンラインで日用品を調達しているというコメントも散見された。

 自粛生活により、自宅でできるアクティビティとして、子どもとお菓子やパン作りをする家庭も増加。家族との時間が増えたことは嬉しい反面、生活にかかる費用が増えてしまう、コロナ禍ならではの悩みと言えそうだ。

■8割以上の世帯で「旅費・交通費」減少

 一方、使う金額が明らかに減った項目として【旅費・交通費】が最も多くあげられ、子あり世代の85.4%が回答。東京に最初の「緊急事態宣言」が発令された昨年4月以降、旅行をする人が激減し、旅行会社などは大きな打撃を受けた。一時「GO TOトラベル」などの施策により、少し持ち直したように見えたが、さらなる感染拡大により「GO TO~」は停止。

 さらにはオンライン授業や在宅ワークの普及により、自家用車や公共交通機関の利用がなくなり【交通費】の減少に反映されている。「子どもの大学がほぼオンライン授業で、定期を買う必要がなくなったから」(東京都/女性/20代)、「買い物や旅行に行かなくなり、ガソリン代が減った」(大分県/男性/50代)と、新しいライフスタイルで起きた支出の変化といえる。

 【旅費・交通費】に次いで多かったのは、【趣味・娯楽費】に【交際費】だ。「趣味・娯楽費」については「年間通してライブや舞台に足を運ぶ機会がかなり多かったが、行けなくなってしまったため」(東京都/女性/30代)など、コロナによって音楽ライブやイベント、スポーツ観戦などの機会が減ったことが大きな要因だ。

 同様に【交際費】も飲み会やランチの機会が減ったことが大きい。このように「機会自体が少なくなった」という物理的な理由もあるのだが、それに加えて「日々の生活にひっ迫しているので、交際どころではない」(大阪府/男性/50代)など「収入が減ったために削らざるをえなかった」という意見も散見されている。特にファミリー層であれば、【趣味・娯楽費】【交際費】は真っ先に削減される対象になってしまうのだろう。

 確かに、日々の生活を維持するために、“楽しみ”を削って耐えるというのも一つの方策かもしれない。しかし、趣味や娯楽は私たちの生活に潤いをくれる大切な要因であり、それを我慢した生活をいつまでも続けるのは精神的にしんどい。われわれの心身の健康を保つためにも、コロナ感染が一日でも早く落ち着いてほしいものである。

【調査概要】
調査時期:2021年5月19日(水)~5月26日(水)
調査対象:「子どもあり」と回答した計712名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ