ポレポレ東中野(東京)ほか全国で公開中の藤元明緒監督『海辺の彼女たち』が、6月11日から開催される『第24回上海国際映画祭』のパノラマ部門VIVA LA FESTIVAL(著名な国際映画祭での受賞作や話題作が出品される厳選されたセレクション枠)で上映されることが明らかになった。上海国際映画祭は、中国で最大かつ唯一、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の長編映画祭で、今年は今月11日から20日まで開催。

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 本作は、より良い生活を求めて来日した3人のベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描いた物語。ベトナムから来たアン、ニュー、フォンは、日本で技能実習生として3ヶ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、たどり着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが…。

 藤元監督は、前作『僕の帰る場所』で在日ミャンマー人の移民問題と家族の愛を描き、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞。本作でも在日外国人労働者に目を向け、実際の技能実習生や来日後に失踪した当事者、彼らを支援しているシェルター等での入念な取材を基に、藤元監督が脚本を執筆した。

 緊急事態宣言下のポレポレ東中野では、5月1日より上映を開始し、初日から連日16日間、チケット完売が続き、とくに土日の回については全て完売となるほど大盛況だった。今月18日までのロングラン上映が決定している(19日以降の上映については未定)。現時点での上映館は全国37館となっている。

 また、韓国プレミアとなる『第3回平昌国際平和映画祭』(6月17日~22日)で
は、9作品でグランプリ、審査員賞、観客賞を競うインターナショナルコンペティ
ション部門へ、中東プレミアとなる『第38回イラン・ファジル国際映画祭(開催中~6月2日)では、アジアとイスラム圏の映画12作品が選出されるコンペティション 「イースタンビスタ」部門にも出品。今年はオンライン開催となる『第21回ドイツ・ニッポンコネクション』(6月1日~6日)では、才能ある若手の監督や実験
的アプローチを行う作品が集う「ニッポン・ヴィジョンズ」部門にも出品される。

 海外の映画祭への出品が次々と決まり、藤元監督は「今年も困難な状況の中、映画の灯火を消すまいと映画祭を運営する方々には頭が下がる思いです。そして、この映画を世界に羽ばたかせてくれたのは、これまで観ていただいた日本の観客の皆さま、スタッフ、キャスト、ロケ地の皆様、スポンサー、映画に関わる全ての人々のおかげです。感謝してもしきれません。日本でも、海外でも、まだまだ映画が広がっていくことを切に願っています。これからも作品を作れるように、頑張ります」と、コメントを寄せている。

■『海辺の彼女たち』劇場情報
https://theaters.jp/6367