アイドルグループ・AKB48の最後の1期生・峯岸みなみ(28)が、22日に神奈川・ぴあアリーナMMで行われた卒業コンサート、そして、28日に東京・秋葉原の“ホーム”AKB48劇場で開いた卒業公演をもって、2005年12月8日から歴代メンバー最長の15年5ヶ月、5651日在籍したグループの活動に幕を下ろした。語り草となっている劇場初日公演の観客7人を経験した1期生20人は、これで全員卒業。峯岸は自身の卒業コンサートでAKB48の“レジェンド”たちと現役をつなぐ使命を全うした。

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 峯岸は当初、昨年4月に卒業予定だったものの、コロナ禍で1年以上延期になっていた。本人が26日に更新したインスタグラムによると、卒業コンサートの延期が決まってからの1年は「まだいたんだ」「いつ辞めるんだ?」という言葉に胸を痛め、「コンサートは諦めて卒業してしまった方がいいのではないか」と葛藤してきたという。

 それでも卒業コンサートをどうしても開きたかったのは「自分の想いはもちろん、ここまで応援してくれたファンの皆さんの為、そして支えてくれたメンバーの為、これからのAKBの為」「グループに迷惑をかけてしまった私が最後の最後に恩返しできるチャンスはここしかない」と考えていた。

 卒業コンサートで「神7」と呼ばれるレジェンドや、観客7人を経験した1期生の卒業生たちを呼べるのは峯岸が最後。同期からは下から2番目の妹として、そして、“峯岸チルドレン”の後輩たちからは頼れる姉として、誰からも「みぃちゃん」と呼ばれて慕われた峯岸の卒業コンサートには、1期生から14期生まで31人もの卒業生が駆けつけた。

 峯岸が29日にYouTubeでライブ配信した「539日ぶりのお酒を飲みながら卒コンを語る配信」によれば、卒業コンサートが1年延びたことで、前田敦子が2日後に初日を控えていた舞台のゲネプロため出演できなくなり(ちなみに前田には「フライングゲット」を依頼していたこと、当日間にあえばアンコール3曲目に「夢の河」を入れるプランがあった秘話も明かされた)、代わって、1年前は出産間近だった篠田麻里子が、今回出演できるようになったという。

 峯岸が最後の1期生として残したかったのは、「後輩が今まで続けてきて良かったと思える空間にすること。そして、これからを頑張るモチベーションになるコンサートにすること。ファンの方にやっぱりAKBが最高と思ってもらうこと。そして観たことない、観たかった景色をお届けすること」。そこで、AKB48の黄金期を支えたOGたちにオファーしたのは「当時の衣装、当時の振り付け」で歌って踊ることだった。

 後輩たちにバトンをつなぐため、“OGと現役”のコラボ感を前面に押し出し、OGと現役が必ず一度は目を合わせてパフォーマンスできるように配慮。峯岸の心意気に卒業生たちも「なんでもやるよ」と快諾した。

 まずは2015年9月から18年5月までキャプテンを務めたチームKメンバーへのプレゼントとして、初代チームKの顔だった2期生の“ツインタワー”こと秋元才加と宮澤佐江を招いた。体育会系のチームK全開の気合いで「転がる石になれ」を大熱演。舞台裏でも秋元が現役メンバーにアドバイスをしたというエピソードを耳にしたという峯岸は、自身の卒コンで生まれた交流を喜んだ。

 懐かしい声での「AKB―!」の号令に、現役が「フォーティーエイト!」と呼応して始まった「RIVER」は、初代総監督の高橋みなみと現役エースの岡田奈々がWセンター。レジェンドと現役のコラボブロックの中でも、最初から絶対にやりたかったのがこの2人のコラボだったといい、既存の立ち位置を変えてまでも実現させた。

 小嶋陽菜は峯岸の中で「陽菜の声がすごく聴こえる曲」という「大声ダイヤモンド」、昨年4月に第1子女児の出産を報告した篠田麻里子は「上からマリコ」でセンターを務めた。現役の中でも小嶋に憧れている14人、篠田同様スタイル抜群の14人をそれぞれ厳選し、「遠い位置で踊っているだけだと一緒に歌った実感が得られない」として、全員が一度は小嶋、篠田と近くで目を合わせられるように考慮。「上からマリコ」に至っては曲尺を延ばしてまでもその時間を作った。

 板野友美とのコラボ曲は、1年前は「Beginner」をやる予定だったことが明かされたが、5月10日に第1子妊娠を公表したばかりとあって「ポニーテールとシュシュ」に変更。衣装はおなかに配慮して新調されたが、当時のようにポニーテールにして登場した。峯岸からダンスは止められていたが、「手だけならできる」と手振りをしっかりと披露し、後輩たちに背中を見せた。

 ここでMCを入れてコラボパートが終わったと思わせ、2014年4月のライブイベント『AKB48リクエストアワー』で大島優子から“後継者”指名を受けた向井地美音センターで「ヘビーローテーション」をワンフレーズ歌ったところで、満を持して大島優子が当時の衣装で登場した。

 「おめでとうとありがとうをみぃちゃんに伝えたか? ここにいる人、見ている人全員で、もっとみぃちゃんに伝えよう! 盛り上がれ! いくぞ」という熱量の高いあおりと、現役時代さながらの華のあるパフォーマンスでファンをしびれさせ、あまりの盛り上がりぶりに峯岸も涙目になるほど。

 向井地は大島の後ろのポジションで生き生きと踊り、原曲で大島と前田敦子が顔を寄せて一緒に歌うパートは大島と向井地が担当。大島の圧倒的なエネルギーに触発され、現役メンバーの目にも自信が宿り、キラキラとまばゆい輝きを放った。大島は3曲目の「LOVE修行」にも自ら志願して後輩たちにまぎれて踊っていたことがVTRで明かされ、パフォーマンスの魅せ方のみならず、旺盛なサービス精神という面でも後輩たちの手本となった。

 そして、レジェンドと現役のコラボの締めくくりとなったのが、アンコール3曲目に披露したインディーズデビュー曲「桜の花びらたち」。おなじみのチャイムが鳴り響き、峯岸が振り返ると、そこには、2005年12月8日に劇場デビューした1期生20人のうち、板野友美、宇佐美友紀、浦野一美、大江朝美、大島麻衣、折井あゆみ、川崎希、小嶋陽菜、駒谷仁美、高橋みなみ、戸島花、成田梨紗、平嶋夏海、加弥乃、渡辺志穂の15人と、1ヶ月半遅れて加入した1.5期生の篠田麻里子が優しい笑顔を浮かべて手を振った。

 卒業生たちが代わる代わる峯岸と歌ったあとには現役も合流し、“桜の花びら”舞うなかで出演者全員での大合唱。そして、卒業生を代表し、初期にリーダー的な役割としてAKB48をまとめていたレジェンド、“あゆ姉”こと折井あゆみがあいさつした。

 「7人のお客さんから始まった私たちに、こんなにたくさんの人が集まってくれる景色を、15年経って見せてくれてどうもありがとう! 本当にみいちゃんは、一番のメンバー思いで、お姉さん孝行だったと思います」と伝え、これまでAKB48に在籍してきたすべてのメンバーにも感謝すると、高橋みなみや大島優子、現役の柏木由紀や横山由依らも大粒の涙をこぼした。

 峯岸は「私は過去と今でできているんだなと。そのバトンを今、ここでつなぐことができて、AKB48の未来に続く道を作るような気がして本当にうれしく思います」としみじみ。最後の1期生・峯岸からあふれんばかりのAKB48魂と愛を受け取り、OGたちのエネルギッシュさに触発された現役メンバーは、翌23日に同じ会場でAKB48初となる48曲ノンストップライブに挑んで成功させた。