1972年に教会で行われた“ソウルの女王”アレサ・フランクリンによる幻のコンサート・フィルムが、映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』として28日より、Bunkamuraル・シネマ(東京)ほかで公開される。その直前に、アレサ・フランクリンが「高き山に登らん」を歌い、観客を総立ちにさせる本編映像が解禁された。

【動画】アレサ・フランクリン「高き山に登らん」熱唱シーン

 2018年8月16日、惜しくもこの世を去ったアレサ・フランクリン。1972年1月13日、14日、米ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたライブを収録したライブ・アルバム『AMAZING GRACE』は、300万枚以上の販売を記録し大ヒット。史上最高のゴスペル・アルバムとして今もなお輝き続けている。

 その感動的な夜が、49年の時を経て映像で蘇る。コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、バーナード・パーディ(ドラム)らに加えサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊をバックに、アレサが自らのルーツである"ゴスペル"を感動的に歌い上げた今や伝説となっているこのライブは、実はドキュメンタリー映画としても撮影されていた。

 当時監督を務めたのは、映画『愛と哀しみの果て』で知られアカデミー賞を受賞しているシドニー・ポラック。アルバム発売の翌年に公開される予定だったが、カットの始めと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることができないというトラブルに見舞われ、未完のまま頓挫することに。しかしいま、スパイク・リーらをプロデューサーに迎え、長年の月日が経てテクノロジーの発展も後押しし、映画が完成したのだ。

 解禁されたシーンでは、ジェームズ・クリーブランド牧師がピアノを演奏し、コーラス隊をバックに熱唱するアレサの歌声に、徐々に盛り上がっていく教会内を映し出していく。客席の奥でひときわノリノリで手を叩いているのは、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとチャーリー・ワッツ。彼らは1972年初頭オリジナル・アルバム『メイン・ストリートのならず者(Exile on Main St.)』の仕上げのためにロサンゼルスに滞在中で、このライブにも足を運んでいたのだ。アレサの歌に心酔している様子が見てとれる。

 そして観客たちが一人、また一人と立ち上がり、あっという間に場内は総立ちになり、あふれんばかりの高揚感が教会に満ちている様子が伝わり、改めて本作が貴重な瞬間が詰まった音楽ファン必見の作品となっていることがわかっていただけるだろう。音楽史を塗り替えたといわれる幻のライブをぜひ大きなスクリーンで体感してほしい。