福島の民話「姥皮(おっぱの皮)」から生まれた短編小説「おばあさんの皮」(著:大前粟生) を原作に、同タイトルのショートフィルム(監督:井上博貴)が制作され、その予告編が解禁された。

【動画】ショートフィルム『おばあさんの皮』予告編

 容姿をほめられることが苦手な女性が、故郷の福島県三島町から上京する途中、立ち寄った土湯温泉で、「おばあさんの皮」を手渡された京子。皮を被っておばあさんに変身し、気になる男性の心のうちを探ろうとする、というストーリー。

 出演は、加藤小夏(dTVチャンネル・ひかり TVのドラマ『取り立て屋ハニーズ』主演)、浜野謙太(NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』、映画『くれなずめ』公開中、映画『夏への扉』、『鳩の撃退法』の公開が控える)、金澤美穂(映画『哀愁しんでれら』)、片桐はいり(映画『キネマの神様』)、高橋惠子。

 本作は、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2021』 で昨年スタートした、日本古来よりある「侘び寂び」や「粋」に代表される日本人特有の美的感覚を探る企画(日本博主催・共済型プロジェクト)の一つで、「日本各地に眠る文化や昔話のエッセンスを含む短編ストーリーを創作し、短編映画化するプロジェクト」から生まれたもの。本編は6月21日(月)午後9時より日本博特別サイトにて公開予定。

 なお、令和3年度日本博主催・共済型プロジェクトでは、「Discover Beauty/ 美の発見」をテーマに、 6月15日に配信開始となるシンポジウム(Discover Beauty シンポジウム~社会課題としての女性のエンパワメント)と連動し、 女性監督の視点から「日本の美」を描くショートフィルムを集めた「Discover Beauty プログラム」を6月11日~21日まで、『SSFF & ASIA 2021』オンライン会場にて配信。8月8日~8月16日に開催の『SSFF ASIA 2021 in Achi』にて上映。プログラムには松田美由紀と早乙女太一が共同監督したショートフィルム『祈り人』も含まれている。

■「Discover Beauty プログラム」

●『祈り人』(29分/日本/ダンスムービー/2021年)
監督:松田美由紀、早乙女太一
出演:早乙女太一、清水舞手、SARO、木乃下真市、TRIQSTAR、Rin'(リン)、ヒダノ修一

 日本では古来より人々の幸せを祈るためや、自分の身代わりとして人形が作られ
象徴として祭られていた。「いのり」の語源は、「い」は呼吸、生命であり、「のり」は事を宣べる。つまり、祈りとは、呼吸を響かせ、生き抜くこと。心に火を燃やし呼吸を響かせ、自分自身と戦い、自分の行動を天に宣言する事だ。人間の醜いものから、美しい人形が現れる。この人形は神の象徴でもあり、自分の願いの姿でもある。人形は祈りのために、四季折々の自然の美しさの中で踊り狂い、風に舞う花の精、水の精、火の精を表現し、祭りに捧げる日本人の古来の姿を映し出す。

●『七五郎沢の狐』(14分/日本/アニメーション/2015年)
監督:すぎはらちゅん

 函館東山の里山に棲む狐は、先祖代々七五郎沢の恵みを糧に暮してきたが、人
間たちが医療廃棄物を沢に捨てるようになり、狩りをすることができなくなってしまった。やがて乳もでなくなり、子育てもままならず、母狐は里山を下りて人間の住む町へと向かう。アイヌ神謡(カムイユカラ)の手法を一部に取り入れ、アイヌ語で制作された短編アニメーション。

●『津波そして桜』(39分/アメリ カ/ドキュメンタリー/2011年)
監督:ルーシー・ウォーカー

 桜の花が咲く頃、東日本大震災の被災地も復興に向けて力強く歩み始める。日本の象徴的花である桜が持つ癒しのパワーと、人生のはかなさを詩的に綴ったドキュメンタリー。本作は、震災の年 2011年9月に公開され、『第84回アカデミー賞』短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

●『ウィール・オブ・フェイト~映画 『無法松の一生』をめぐる数奇な運命~』(19分/アメリカ・日本/ドキュメンタリー/2020年)
監督:山崎エマ
出演:宮島正弘、白井佳夫、田村亮、太田米男
ナレーション:リリー・フランキー

 2度にわたる検閲、主演女優の原爆死。本作は、『無法松の一生』 の知られざ
る数奇な運命を紐解くとともに、宮島正弘撮影監督の修復にかける想いと、コロ
ナ禍での国境を越えた修復に密着したドキュメント。