女優の高橋ひかる(※高ははしごだか)が22日から放送される『春の呪い』(テレビ東京系)で同局初主演を務める。高橋は「第14回全日本国民的美少女コンテスト」グランプリ受賞以来、趣味のラジオやゲーム好きを公言し、そのギャップで活動の幅を広げている。昨年は『スクール革命!』(日本テレビ系)での振り切ったキャラクターが話題になり、バラエティ番組での活躍も話題に。多方面で活躍する女優が増えている中、自身の個性をどのように切り開いてきたのだろうか。真摯な想いを聞いた。

【貴重写真】当時12歳… 国民的美少女に選ばれた高橋ひかる

■カラ元気で無理しがちな主人公に共感「私と似ている」

――『春の呪い』は、『パフェちっく!』(2018年/フジテレビ系)以降の連続ドラマ主演となります。演じられる立花夏美という役に共感するところなどはありますか。

高橋 夏美は妹の春(桜田ひより)を亡くし、その婚約者・冬吾(工藤阿須加)と交際することになるという、かなり複雑な境遇にありますが、夏美には無理しがちなところとか、カラ元気なところがあって、そこは私と似ているなと思いました。

――複雑な境遇にある難しい役どころを演じてみて、いかがですか。

高橋 かなり特殊なシチュエーションなので、実は他に参考にできる作品がなかなかなくて。これまで出演したどの作品よりも、台本を肌身離さずどこにでも持って行き、スキマ時間に読むなどして、役に向き合いました。言葉で伝えられるものだけじゃなく、記憶の中に鮮明に残っている言葉だけ、あるいは表情だけの情報から、裏にある感情をしっかり考えていかなきゃいけないなと思いました。

――難しかったのはどんな場面でしたか。

高橋 やはり春に対してのシーンですね。回想シーンや、空想のシーンも多いので、それらをどう夏美として感じて表現していくかはわからない部分もあり、現場で確かめながら進めていく感じでした。特にラストの春との絡みは、どういう風になるんだろうと想像できなかったんですが、撮影していて思わずこみあげてくるものがありました。

――この作品は新設された土曜11時25分の「サタドラ」枠第二弾ですよね。中毒性の高い作品を放送する枠ですが、チーフプロデューサーの稲田秀樹さんとはどんなお話をされましたか。

高橋 原作のある作品ですが、原作ファンの方も、原作をご存じない方も楽しめるモノにしたいねという話はしました。どうしても回想シーンで苦しいシーンが多いので、暗くなりすぎないように、視聴者の方が重くなりすぎないように、ということは意識しています。ただの恋愛ドラマじゃなく、新しい試みもたくさんありますので、そうした点も楽しみにしていただけたらと思います。

■いろいろな感情を学ぶ手段は「人間観察」 幅広い活動の中で“出会い”が勉強に

――この作品を通して、ご自身が成長したと思う点はありますか。

高橋 私はもともとコミュニケーションをとることがあまり得意じゃないんです。だから、普段は監督や共演者の方とあまりお話ができないんですが、『春の呪い』では柊冬吾役の工藤(阿須加)さんやスタッフさんが「座長、座長」と言って盛り上げて下さるので、自分からコミュニケーションをとりに行くことができました。工藤さんのことはお兄さんのように尊敬も信頼もしていますし、助けていただいて感謝もしています。また、わからない表現について、監督や助監督に相談しながら夏美という役を作っていったことは、自分にとって大きな変化かなと思います。

――この作品で初めて挑戦したこと、経験したことはありますか。

高橋 監督が登場人物のバックボーンについて深く考えてくださる方で、最初に夏美について掘り下げるような説明をしていただきました。今までは自分で考えたことを現場でぶつけてみるスタイルでしたが、今回は監督が引っ張って下さる方だったので、それを自分なりにくみ取って、何度もリハーサルを重ねて一緒に役を作り上げていけたのは初めての経験でした。

――2020年はテレビやラジオ、YouTubeなど、幅広いご活躍が見られました。『スクール革命!』では、振り切った“キレ芸”なども見せていますが、そういう活動が演技にどんな影響を与えていますか。

高橋 モデルはモデル、バラエティはバラエティなど、私はそれぞれのお仕事の線引きはわりと明確にしていて。直接的に演技に生かせるわけではないですが、線を引いてやっているからこそ、いろんな自分を出せる幅が広がるというか。逆に、いろいろなお仕事をすることで、こんな面も自分の中にあるんだと知ることができましたし、役者さんだけでなく、いろいろなスタッフさんともお話しすることによって、たくさんの刺激をいただいています。もともと人間観察が好きなので、いろんな方と出会って、そこからいろんな感情を勉強しています。

■趣味を発信するのを躊躇していた時期も…「“好き”を分析されるのが怖かった」

――バラエティで重用されることを、ご自身ではどのように受け止めていますか。

高橋 番組に呼んでいただけるのはすごく嬉しいし、ありがたいです。どの番組も楽しいですし、番組によって共演者も、VTRの作り方も、空気感もそれぞれ違っていて、どれも自分にとって刺激になり、勉強になります。

――高橋さんはラジオ好きで、“リトルトゥース”(『オードリーのオールナイトニッポン』のリスナーの通称)としても知られていますよね。

高橋 ラジオ好きについてはすごく反響があり、正直、驚いています。自分の趣味について発信することは、もともとはあまり好きじゃなかったんです。浅い深いなどと分析されるのも怖いし、好きだからこそ、その思いが正確に言語化できないところもあって。でも、ラジオ好きというのはニッチな趣味だと思われるらしく、いろいろな現場で「多趣味ですよね」などと言っていただけるようになりました。好きを共有することによって、共感していただけたり、私自身に興味や関心を持っていただけたりすることもあるんだということがわかったので、これからも積極的に発信していきたいです。

――ラジオ好きやバラエティで高橋さんに関心を持った方に、改めて「女優」としてどんな側面を提示していきたいですか。

高橋 自分自身の意識だけで完全に切り分けできるわけではないので、今回のようにドラマをやっている期間にはバラエティのお仕事を入れないこともあります。どのお仕事でも、それぞれ没頭できる状態を作りたいと思っていますので、『春の呪い』では、バラエティの高橋ひかるでもなく、YouTubeでやっている名義“たかし”でもなく、“夏美”として見ていただきたいですね。

――具体的に目標にしている方はいますか。

高橋 例えばこれまで共演させていただきました財前直見さん、石原さとみさんなど、素敵な女優さんはたくさんいらっしゃいますが、誰か一人を目標にするのではなく、いろいろな方の魅力的なところ、良いところをできる限り吸収したいですね。そのうえで、自分なりの色を出していけたらと思っています。
 
(取材・文/田幸和歌子)