多額の借金エピソードでも知られる夫婦漫才コンビのかつみ・さゆり。2人は一発逆転を狙った事業の失敗を含め様々な苦難を乗り越え、今年で結婚25年を迎えた。今もまだ返済は続いているが、明るくポジティブな夫婦の姿に世間からは「羨ましい」といった声が上がるなど好感度も高い。2人はどのようにして苦難を乗り越えてきたのか。その苦難の先に見つけた、かつみ・さゆりにとっての「幸せ」とは。

【写真】今と変わらない美貌とスタイル…25年前の結婚当時、着物姿でのかつみさゆりに「似合いすぎ」「姫か!」

■「家族って温かいものなんだよ?」25年間、ずっと同じ思いで寄り添い続けています(さゆり)

――今年の3月に結婚25年を迎えられましたが、改めて、いまお互いをどういう存在に感じてらっしゃいますか。

【かつみ】 さゆりちゃんは僕と結婚した時は26歳ぐらいでしたけど、昔も今も奥さんというよりは娘というか、養女のような存在ですね(笑)。

【さゆり】 私を育て上げたみたいな(笑)。実は私もお父さんみたいな感じでかつみさんのことを見ていて、年齢差はそこまでないんですけど、父親のように大きな存在というか。とっても大事な人と25年も一緒にいられて幸せだなと日々感じています。

【かつみ】 僕は“家族の温かさ”を知らずに育ってきたので、本当にさゆりちゃんには感謝しかないですね。というのも、僕のおふくろは親父の3人目の愛人で、父親には子どもの頃に5回ぐらいしか会ったことがないんです。おふくろも親父も他界して、兄貴も亡くなって天涯孤独だった時に、さゆりちゃんが“私が家族になってあげる”と言ってくれて。その言葉がめちゃくちゃ嬉しかったんですよね。

【さゆり】 ある日デートしてたら突然かつみさんが「オレ天涯孤独やし…」とサラッと言いまして。私は愛情いっぱいに育てられたので、そんな私がかつみさんと一緒になったら“家族って温かいものなんだな”と感じてもらえるんじゃないかなと思ったんですね。そこから25年間、ずっと同じ思いで寄り添い続けているような気がします。

【かつみ】 僕は父親像を一切知らずに育っているので、奥さんへの接し方が自己流なんです。だからきっと、さゆりちゃんと“娘”とか“友達”という感覚でずっと仲良くしていられるのかもしれないですね。それにこんなに美しい女性が奥さんになってくれたんですから、大事にしないわけがないです。

【さゆり】 こんな感じで、こっちが恥ずかしくなるぐらいいつも私のことを褒めてくれるんです(笑)。

【かつみ】 彼女は美しいだけじゃなく、僕にないものを沢山持っているんです。だからこそ惹かれたんじゃないかなって。さゆりちゃんも僕のこと珍しい人間だなと最初思ったでしょ?

【さゆり】 出会った時、珍しいというか男らしい人だなと思ったんですよね。私、喫茶店とかで注文するものをなかなか決められないんですけど、かつみさんは決断力が早いので、そこが男らしくて魅力的だなって。あと、かつみさんは何か悪いことが起きると、「これがなかったら交通事故にあっていたかもしれない。厄払いできた」と、どこまでもポジティブに考える人なので、そこもいいなと思いました。

■借金2億が12億に… さゆりの心折れるも、変わらなかったかつみのポジティブさ「絶対返せる」

――様々な苦難を乗り越えて、今は借金も順調に返済されているそうですが、これまでで最もつらかった出来事を教えて頂けますか。

【さゆり】 結婚する前からかつみさんは1億7千万円の借金がありましたけど、絶対に返せるという自信しかなかったので、そこに不安はあまりなかったんです。ところが、結婚する時には利子が増えて借金は2億円になり、更に亡くなっていたかつみさんのお父さんが10億の借金を抱えていて、その返済もすることになったら一気に12億の借金になってしまうかもしれないと…これはさすがに心が折れましたね。かつみさんは「俺は自分が作った借金だから、自己破産とかせずに絶対に返す」と言っていて、それがカッコ良かったから応援しようと思って頑張っていたのですが、さすがに12億は無理なんじゃないかと…この時とても不安になりました。

【かつみ】 僕は12億でも返す気満々だったんですけどね(笑)。25歳から28歳までの間に3億ほど稼いでいたので。ただ、そのあと株の信用取り引きで1億7千万の借金抱えましたけど(笑)。

【さゆり】 結局、お父さんの負の遺産はかつみさんが放棄して、借金は2億に戻ったのでホッとしました。いま振り返ると、この時が一番しんどかったですね。

――お2人のインスタで銀婚式のお写真と共に「ラスボスに向かって闘っては倒されて〜でも必ず起き上がり!」といったコメントをつけてらっしゃったのが印象的でした。

【さゆり】 “借金”というラスボスに立ち向かう私達の闘いを、ロールプレイングゲームに例えて書いてみました(笑)。普通の夫婦って、だいたい向かい合って喧嘩したりいがみ合うことが多いと思うんですけど、私達の場合は“借金”という共通の大きな敵がいるので(笑)、向かい合って闘うのではなく、2人横に並んでラスボスに立ち向かうことができるんですよね。1ステージ目で倒されても、次に復活する時には経験値と新しい武器を手にして強くなっているんです。そこからまた“返済”というミッションをクリアしながらお互い支え合って、助け合って生きているような感覚はあります。

■「水道以外すべて止められてた…」極貧時代の“真夏のクリスマス”が最高の思い出に…どんな状況でも感じられる「幸せ」の考え方

――お2人のお話を伺っていると、夫婦の絆がひしひしと伝わってきます。お2人にとって“幸せ”とはどういうものなのでしょうか。

【かつみ】 幸せって些細なものから大きなものまで沢山あって、それに気がつくかどうかで変わってくるような気がします。例えば、僕だったら部屋の電気がついて、エアコンで温度調整ができるだけで“幸せだな”と思うんですよ。何故なら、昔よく電気を止められたから(笑)。電気だけじゃないですよ。ガスも止められて、唯一水道だけは止められなかったことがありました。今でも思い出すのは、ある夏の日に、電気が止められて真っ暗な中、クリスマスのキャンドルがあったので火を灯したんです。「真夏のクリスマスや!」ゆうて、ぬるーい水で2人で乾杯して(笑)。

【さゆり】 その時にかつみさんが「さゆりちゃん、いつかこれが良い思い出に変わるから」って(笑)。私は「さすがにそれはないわ」と思っていたんですけど、その何年か後のクリスマスにケーキを買って2人で食べていたら、ふと「今までで一番のクリスマスって、真夏にキャンドルの火を灯してクリスマスソングを聴いた日かも」と思ったんです! かつみさんの言った通り、いつの間にか思い出に変わってたんですよね。その時に、例え大変な事が起きても、いつか素敵な思い出に変わるはずだから大丈夫と思えるようになったんです。

【かつみ】 ええ話でしょ(笑)。今でも僕らの宝物はクリスマスのキャンドルなんです。

【さゆり】 “幸せ”って、自分の気持ち次第でいつでもどこでも、どんな状況でも見つけられるものなんですよね。

――最後に、これまでいくつもの事業に挑戦されているお2人ですが、今後について何か構想はございますでしょうか。

【かつみ】今まで色んな副業をやってきて分かった事は、本業が一番と言う事です。このお笑いと言う本業を、額に汗して一生懸命頑張っていきたいです。その中で、コロナ禍もあって『かつさゆのボヨヨンチャンネル』というYouTubeも始めました。そしたら有難い事にさゆりちゃんの美容動画、結構再生回数いくんです(笑)

【さゆり】ほんとに有難いです。私達は日本一の漫才師と言うより、日本一の夫婦になりたいです(笑)

【かつみ】これからも、ふたりで力合わせて、精一杯幸せに! 精一杯 笑顔で! 頑張って行きたいと思います(笑)

(取材・文/奥村百恵)