俳優のムロツヨシが45歳にして、役者を始めて25年にして、映画で初主演を務める『マイ・ダディ』(9月23日公開)に、主人公・御堂一男(みどう・かずお)の娘・ひかり役に抜てきされた中田乃愛(なかだ・のあ)。ムロが見守る中、オーディションで選ばれた。

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 中田は、2003年6月21日生まれ。石川県出身。2016年、第8回「東宝シンデレラ」オーディションでファイナリストに選ばれる。19年、国内外の映画祭で話題となった長久允監督の映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES』で女優デビュー。『マイ・ダディ』は自身2作目の映画出演となる。

 作品への参加が決まった時の心境について中田は「オーディションの時から絶対に『ひかりになりたい』という想いが強かったので、作品に出演できると知った時は、驚きと不安とうれしさで胸がいっぱいでした。たくさんの方の想いが重なって実現出来た、パワーのある奇跡のような作品だと思うので、いろんな方にお届けできるように精一杯頑張ります」という決意だったそう。

 本作では、お父さんとの距離が微妙に開きつつある思春期の中学生を演じる。幼い頃にお母さんを亡くし、父とふたり、仲睦まじく暮らしている最中、突然の病気を宣告されるひかり。多感な時期で、父親の小言にもうんざりする一方、お父さんのことが大好きでもあり、そして今でもずっと、お母さんのことを愛している。そんな難役に挑んだ。

 共演したムロツヨシさんの印象については「いつも明るく朗らかで、とても真面目な方だと思います。ムロさんがいらっしゃるだけで、その場が明るくなってみんなが笑顔になる。いつも気にかけてくださって、私が緊張していた時も和ませてくださったり、緊張ごと肯定してくださって心が軽くなったのをよく覚えています。撮影が延びてしまった間も連絡をしてくださり、おすすめの映画を教えてくださるなど本当に優しい方」だったと話していた。

 完成した映画を観て、「スクリーンに自分がいるのは、少し恥ずかしくもありましたが、映画としてひとつの形になったのだという実感が湧いて感慨深かったです。目まぐるしくて予想だにしないことが起きても、確かにそこにあって変わらないものをずっと大事にしていたいと思える作品だと思います。そして物語終盤にかけても注目していただきたいです」と、アピールしていた。

 監督・脚本を務める金井純一は、「中田さんの演技に、可能性を感じました。オーディションには芸歴の長い子や、演技も上手い子もいました。しかし、中田さんの芝居からしか感じられないものがあり、それは観客に訴えかける真実味のようなものだと思います。彼女は決して器用ではなく、お芝居の経験もほとんどありませんが、彼女の力でしか伝えられないものがあると思い、選びました。最終オーディションにはムロさんにも参加していただきましたが、ムロさんも同じことを思っていました。ひかりはかなり難しい役ですが、可能性に賭けました」と、明かす。

 撮影中の中田の様子だが、「普段いつもニコニコしていて、おっとりしているので、カメラ前で演じる表情とのギャップに驚かされます。ひかり役は中途半端な気持ちでは演じきれない役なので、覚悟を持ってこの映画に臨んでくれていたと思います。中田さんにとって映画の現場はこの映画がほぼ初めてで、知らない業界用語に戸惑う場面もあったかと思いますが、その都度ムロさんが優しく教えていました。そんな二人の姿が、僕には本当の親子に見えて、この映画は絶対成功すると思いました」と、手応えを語っていた。

 同映画は、CCCグループのカルチュア・エンタテインメント株式会社と、株式会社蔦屋書店が主催し、これまでに、 『嘘を愛する女』 、『哀愁しんでれら』 等、多くの良質な作品を世に生み出してきた映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM(以下、TCP)」 の2016年準グランプリ受賞作品。主演のムロは、牧師で愛する娘を救おうと奔走する、お人好しで誠実な父親を演じる。