俳優・佐藤二朗が原作・脚本・監督を手掛け、自らも出演した映画『はるヲうるひと』(6月4日公開)の完成報告会見が28日、都内で行われ、主演の山田孝之に賛辞を送る一幕があった。

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 本作は、佐藤が主宰する演劇ユニット【ちからわざ】で2009年に初演、14年に再演され、演劇界からも絶賛された舞台を映画化した作品。主演に山田、共演には仲里依紗、坂井真紀らが集結し、約5年を掛けて完成させた。19年度第35回ワルシャワ映画祭の1-2コンペティション部門(長編監督2作目までの部門)に正式出品、第2回江陵国際映画祭(2020年11月5~7日開催)では最優秀脚本賞を受賞した。

 会見冒頭、マイクを持った佐藤は「妻から『作品の内容を考えて、一切おちゃらけるな』と言われてきました。きょうはおちゃらけることなく、監督らしく進めていけたら」と“真面目”にあいさつした。

 架空の島にある売春宿を舞台に、生きる手触りがつかめず、死んだように生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いを描く本作。「三兄妹」の次男・得太を演じた山田は「きっかけは、脚本を読んでめちゃくちゃ面白かったし、とにかくもちろん二朗さんが監督という部分もあります」と語りつつ、「実は一度お断りしていた」と告白。

 その真意について「お話をいただいた時にすごい本で、すごい役だからやりたいけど、全編通して関西のしゃべりをしていて。そこに方言指導の方に付いてもらってイントネーションを意識しながら演じることは、このままでは無理だと思い、一度お断りした」と説明した。

 これに佐藤は「関西人の俳優がやるべきという孝之らしい考え」と尊重した上で「その後に孝之から『これ標準語じゃダメですか?』って連絡がきた」と明かす。書き上げた脚本と、山田の意見を天秤にかけ「私は山田孝之って日本最高級の俳優だと思ってますから『お前がやってくれるなら(設定を)変えるよ』って(脚本を)書き換えました」と最大限の敬意を払い、キャスティングが実現したという。

 会見にはそのほか、坂井真紀、今藤洋子、笹野鈴々音が出席した。