自称「オールナイトニッポンのモルモット」こと、お笑い芸人・三四郎による東京国際フォーラムでのラジオイベント『三四郎のオールナイトニッポン(ANN)6周年記念バチボコプレミアムライブリベンジ』から、1週間が経った。会場の観客と配信で視聴したラジオファンを大満足させた、このイベントの魅力を、改めて記録しておきたい。

【写真】三四郎がリベンジ成功! 大盛りあがりのイベントの模様

 新型コロナウイルスの影響で昨年予定されていた公演が中止となり、一年越しに開催された本イベント。開催発表時からリスナーは大歓喜、ラジオでは公演日直前までリスナーとともにイベントの話で持ちきりであった。

 東京国際フォーラムAという大きな会場、ここにいる全員が、クソ回と呼ばれる回も乗り越え、深夜に2人のくだらない話で笑っていたのかと思うと、それだけで感動できる。“リベンジ”の名に恥じぬ、三四郎ならではの「なにクソ精神」が存分に味わえた、いい意味でヤケクソとも思えるイベントだった。

 開演前の会場ではandymoriの「ジーニー」が流れる。歌詞のサビが「ともゆき ともゆき」なのだが、これは相田周二の兄の名前。ここに深い意味があったのかはわからないが、勝手にイベントの作り手のこだわりを感じる。他に流れる曲も、銀杏BOYZやクリープハイプなど、小宮浩信が普段から好きと公言している楽曲。三四郎ファンとしては、これだけでも胸が高鳴ってしまう。

 公演内容は、「フルーツセックス」(ビワとカキのミックスジュース作り)から始まり、コア過ぎる「フリートークリクエスト」では、1位に選ばれたフリートークをトッピングという名の着色を加えて再度披露。ゲストは「三四郎オールスターズ」とも呼べるメンバーが大集結し、最後はしゅーじまんの「Standby」を全員で合唱に無事終演した。

 正直、リスナーでなければまったく意味がわからない……いや、リスナーであっても意味がわからない演出が盛りだくさんだったが、会場でも配信でも目撃したファン全員が大満足、そして感傷的になったのは間違いない内容であった。

 中でも特に涙腺が緩んだのはエンドロール映像だ。使用された曲はELLEGARDENの「My Favorite Song」。過去6年間分のラジオ収録時の写真とともに、和訳された歌詞がモニターに映し出された。

“好きなことさえできればあとはもう何もいらないんだ”
『三四郎ANN』シリーズは、この言葉に尽きる。

■メンバーが渋過ぎる「三四郎オールスターズ」

 冒頭で触れた「三四郎オールスターズ」とも呼べるゲストメンバーは、はんにゃ金田哲、しずる池田一真、そして、なかやまきんに君。動画ゲストとしてオジンオズボーン。配信では副音声にマシンガンズ、配信用特別映像にはバットナイス常田が登場(思い返すとラブレターズがいなかった…)。

 リスナーにとっては言わずもがな至極のメンバーであったが、ゲストの登場を一番喜んでいたのは三四郎自身だったようにも見えた。

 はんにゃ金田の渾身の「ズクダンズンブングンゲーム」を「ヒューマンセックス」に変換するノリに発展し、最後は小宮が金田に蹴りを入れて終了。しずる池田は「不良」として出演するも、イベント後のラジオ内で「オレたちは好きだけど、あんまりウケてなかった」と愛のある酷評。そして、ダンボールで登場したり女性になったりと、やっぱり予想不可能だったなかやまきんに君の行動には、思わず素で吹いてしまう三四郎の姿が。のちのラジオでも、相田は「あれ笑っちゃうんだよな〜」、小宮も「僕らしか笑わないよ」と述べていた。

“新しいおもちゃを手に入れたのさ”
三四郎は芸人仲間をこよなく愛している。そして、その仲間が登場すると、子どもが大好きなおもちゃを前にしたときのように目を輝かせるのだ。

■賛否両論の『三四郎ANN』シリーズ

 
 過去6年、神回と崇められることもあれば、クソ回と大批判を食うこともある『三四郎ANN』シリーズ。例を挙げると、なかやまきんに君ゲスト回は如実に“賛否両論”が巻き起こる(年に一度、恒例できんに君がゲストとして出演。猫になったりする)。

 あからさまに疲れが感じ取れる回があったり、小宮が「歯が痛い」と言う理由で休んだり、「ラジオのギャラは角砂糖6個」と比喩(ひゆ)したり、神回とクソ回があることは否定できないが、それも全部ひっくるめて『三四郎ANN』シリーズの魅力なのだ。

 リスナーがまったくついてきていないにもかかわらず、2人でコアな話を続けたりすることもあるが、リスナーはそれすらも、幼なじみならではの雰囲気がビリビリと伝わる魅力的なクソ回だと受け止めている。

 イベント同日のラジオでは感動的な裏話が聞けると思いきや、小宮は「ラジオに命かける系じゃないじゃん」「仕事の一つとしてやった」と冷静かつ冷酷な態度でリスナーを笑いで裏切る。相田の「そんなん言うなって、冷めるわ〜」「痛いぐらいアツくいこうよ〜」のフォローが心地よいバランスを保っていた。

 RN:賢いキャットから、このようなメールが送られてきた。「僕はこのラジオを単発のGOLDからずっと聴き続けてるんです。あの〜、あんなのでも、僕、めちゃくちゃ泣くんですよ〜!」。

 このラジオの行先がどうなろうとも、リスナー全員はこう思っている。
“お気に入りのラジオは死なない”
 冒頭で、(もちろんいい意味で)「リスナーであっても意味がわからない」と述べたが、三四郎はその意見に対して、きっとこう言うだろう。

“理解なんてしてもらわなくてもいいんだ”
(文・佐々木笑)