女優、母、妻、動画制作者…といくつもの顔を持ち、実際に話してみるととても気さくで自然体の仲里依紗。こんな大人になりたいと思えるような彼女にも、当然《5歳児》だったころが…。「子どもの頃は、恥ずかしがり屋で、人見知りで、いつも誰かの後ろに隠れているような子でした」。変わったのは芸能の仕事をするようになってから。「人は人、自分は自分。本当に自分で『やりたい』と思うことをやっていこうと思っています」。

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 国民的キャラクター《嵐を呼ぶ永遠の5歳児》しんちゃんが活躍する『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』(23日公開)にテン組のエリートギャル・アゲハ役で声の出演をする仲。それで、5歳児だった頃の話を聞いたのだが、『クレヨンしんちゃん』のアニメも大好きだったそう。

 「声もハスキーだったので、母親に『クレヨンしんちゃんみたいなしゃべり方をしないで、もっとハキハキしゃべりなさい』と言われていましたね」と話しながら、「オッ!」「見れば~」と声マネを披露。その場にいた人たちが全員、笑顔になったほど似ていた。

 「子どもの頃から根っこは変わっていないと思うんです。自分でこうしたいな、ああしたいな、というのがあったとしても、それをどう表に出していったらいいのかわからなくて、コソコソしていたんだと思います。でも、芸能の仕事をするようになって、人前に出るのが仕事だから、恥ずかしいなんて言ってられない。最初からうまくできたわけではないんです。自分の本音よりも、周りの意見に流されていたこともありました。いろいろ経験して、こういう感じにしていけばいいんだな、こう言えば伝わるんだな、というのを見つけて、工夫して、鍛えられていったと思います」

 中学卒業後、地元の長崎から上京して芸能活動をはじめた。2006年に声優を務めたアニメ映画『時をかける少女』で注目を集め、同作の実写版でも主演を務めるとまたたく間に人気女優の仲間入りを果たす。以降、ドラマ、映画、舞台に、主演や助演で多数出演。結婚や出産といったライフステージの変化もプラスに活かしてしなやかに自身の能力を発揮している。その秘けつを問うと答えは明快だった。

 「人は人、自分は自分。自分を押し殺してまで、相手に合わせるようなこともせず、本当に自分で『やりたい』と思うことをやっていこうと思っています。TPOに配慮することはあっても、自由にできるところは自由に。周りにも自分にも嘘をつくのが嫌なんです。意外と、今の方がしんちゃんに近いのかも(笑)。永遠の5歳児です(笑)」

■今年の『映画クレヨンしんちゃん』は大人の人たちにこそ響く

 まさに無双状態。「でも、迷うこともありますよ。オリンピックみたいに4年に1回くらいの周期で(笑)。もっと、大人にならなくちゃ、とか、もっと母親らしくしなきゃ、とか、女優って…とか。そういう思考にハマって自分を見失うことがあります。そういう時は、全然、好きじゃない服を買ったりしているんです。結果、原点に戻る。迷って、失敗しても、自分で気づいて軌道修正できればいいと思っています」

 2021年4月現在、「自分をちゃんと表現できていると思いますし、嘘偽りなく、好きなものに忠実に毎日生きていますので、安心してください」。

 そんな絶好調の仲に、『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』の見どころを嘘偽りのなく語ってもらった。

 「しんちゃんの映画は、その時、流行っているものや言葉を上手に取り入れていて、旧作を見ると、『あった、あった』というものが出てくるんです。そういう点でいうと、今回、私が演じたアゲハはタピオカミルクティーを飲んでいます(笑)。何年か経って見返したら、『ギャル=タピオカ』だったなって思い出すんだろうな、って思いました。私のほかに、フワちゃんがYouTuberの本人役で登場していたり、チョコレートプラネットさんもゲスト声優で出られているのもそう。ポイント付与とか、オツムンというAI(人工知能)も出てきます。今の時代が描かれているところが『映画クレヨンしんちゃん』の魅力だと思います。

 今回のお話で言うと、しんちゃんたちカスカベ防衛隊のみんなの友情も見どころですし、大人たちが大事なことに気づかされるところは、大人の人たちにこそ響くと思います。結果がすべてじゃないんだって。むくみが取れてすっきりした!って感じになると思います。この映画を見て笑って明日も頑張ろう、と思ってもらえたらうれしいです。ご家族で、お友達同士で、年齢に関係なく見ていただける映画って、いいですね」