俳優の斎藤工、Sexy Zoneの中島健人が、24日にWOWOWで放送される『第93回アカデミー賞直前総予想』(後2:00)に出演する。日本時間26日に独占生中継・配信される『第93回アカデミー賞授賞式』(前8:30)を前に、収録された同番組。共にアカデミー賞授賞式のレッドカーペットリポーター経験があり、表現者としても活躍する2人だが、中島は「いつか一緒にレッドカーペットを」と想像をふくらませると、斎藤も「夢は見ないと実現しないですからね」と笑顔で応じる。そんな2人が今年のアカデミー賞の行方について、そして映画の未来について花を咲かせた。

【写真】中島健人と米・アカデミー賞でレッドカーペットリポーターを務める河北麻友子

 まず、アカデミー賞レッドカーペットリポーターの経験について斎藤は「映画少年として憧れていた“THAT'Sハリウッド!”なエンターテインメント作品と自身が表現者として携わる邦画作品の関係性について、(以前は)距離を感じていたけど、同じ映画産業なんだとつながるようになった。むしろつなげていくぺきだと思うようになった」と変化が生まれたそう。中島も現在、主演を務める配信作品の撮影に入っていることに触れ「去年、授賞式に行ってからオスカーの存在が他人事ではなくなった。配信作品への気持ちの入れ方も、『もしかしたらこの1本が世界に届くかもしれない』、その可能性を求めて自分は役者として一歩一歩、歩み始めているんだなと思えるようになった」と共感した。

 昨年の授賞式では『アナと雪の女王2』に関連して松たか子がレッドカーペットを歩き、ステージでパフォーマンスを披露。この“偉業”を称えた中島は「役者として、またパフォーマンスという部分でもそうですが、ドルビーシアターで何かをするっていうのが人生の大きな大きな目標だなと思います」と心躍らせる。

 そして、今回のノミネート作品について、斎藤はコロナ禍を受けて「配信作品の位置づけが明らかに去年と変わった」と着目。日本で授賞式前に鑑賞できる作品が増えたことに「授賞式の楽しみ方が変わった。そこはすごくポジティブなところ」と受け止める。中島が「今回、『ミナリ』も作品賞ノミネートに入っていますが、アジアの流れは今後も続くと思うか?」と尋ねると、「数年前まではメキシコの監督たちが連続でオスカーを獲る“ラテンの風”があったけど、それがまさに去年の『パラサイト』以降、“アジアの風”が吹いてきた。明らかにかつての“ラテンの風”が“アジアの風”になっている」とうなずいた。

 さらに2人の話題は現時点で作品賞最有力との呼び声の高い『ノマドランド』に。斎藤は同作の主人公がAmazonの工場で季節労働者として働くことにちなみ、Amazonで原作本を購入したそうで「アメリカの高齢者の労働者の現状と僕らが気軽にタッチパネルで(Amazonからの配送を)お願いするものとの関連を含め、これは海の向こうの遠い話ではないと思った」と実感する。クロエ・ジャオ監督にリモートインタビューをした中島は「Amazonの工場のシーンについても『常にリアルを求めていて、リアルとフィクションの端境を俳優さんに歩ませた』と監督はおっしゃっていました」と語る。

 斎藤は『ミナリ』、『ノマドランド』に共通する、主演俳優がプロデューサーを務め、企画段階から携わっている作品の持つ“強度”を指摘。「どの作品も素晴らしいけど『ノマドランド』は前評判を含めて(受賞は)堅いなと現時点で思っている。時代にしっかりとコネクトしている」と予想する。その一方で、斎藤のイチオシは、アンソニー・ホプキンスが認知症を患う父親を演じた『ファーザー』。「すごくシンプルな作りで比較的地味な作品なんですけど、全部が伏線になっている」と称賛する。

 また、作品賞候補作の中で、中島が「とても面白かった」と語るのは、最多10部門にノミネートされたNETFLIX配信作品『Mank/マンク』。「本当に楽しい2時間でした。映画に対するリスペクトが込められていて、興奮の1本でした」と絶賛。斎藤は、現在でも未来でもなく、“過去”を描いた作品であることなどを含め「位置づけが難しい。ハリウッドが何を尊重するか…」としつつも、自身もデヴィッド・フィンチャー監督は大好きな映画監督であると語り「(受賞は)あるかもしれない」とニヤリ。

 今回の授賞式がどのような演出、構成となるかについて、中島は「今回、コロナ禍における授賞式がどうなるのか不安もある。でもその中でアカデミー賞のプライドもきっとある。いま、このコロナ禍でしか見られない授賞式になると信じています。今回、ノミネーションされているスタッフ、キャストのみなさんは、この1年で蓄積されてきた考えをスピーチで話されると思う。それを聞いたクリエイターの方々が今後どのような作品を作っていくのか? アカデミー賞が『次はこうしていこうか?』と(考えることになる)。変化の時代を目の当たりにしていると思うので、あまりネガティブに考えず、ポジティブに同じスタートラインに立って新しく一緒にアカデミー賞を作っている感じがしています。お互いのアイディア、思考を持ち寄ってボーダレスエンターテインメント業界になっていけばいいと思います」と展望する。

 斎藤も「“海の向こうのことだから”“僕らはいままで通り”じゃなくて、世界中が新しい方向に、希望を探しに舵を切っている気がします。大げさじゃなく、アカデミー賞は映画業界の祭典ではあるけど、世の中がどうなっていくか?ということを示す祭典でもある。また、日本の映像業では、クオリティ・ファースト、作品至上主義が増えていくというのが、唯一の道筋じゃないかと思う。一部の支持をしてくれる人が楽しむエンタメもあると思うけど、それだけじゃ、ここ(=世界)では戦えないという危機感を感じられるいいチャンスになのではないか。クリエイターや若い方にこの祭典を見てもらって、気軽にそこを目指してほしい。オスカーを目指して、そこにたどり着くプランが生まれてくると思うので、そこからが始まり」と熱く説いていた。