歌手で俳優の錦戸亮が2022年に日本公開を予定している日英合作の映画『Cottontail』(読み:コットンテール・英語タイトル、邦題未定)に出演することが決定。リリー・フランキー主演、英国アカデミー賞受賞経験もあるパトリック・ディキンソン氏が監督を務める今作で、リリー演じる主人公の一人息子役に起用された。錦戸は2019年10月のフリー転身以降は初、『羊の木』(2018年2月公開)以来4年ぶりの映画出演。映像作品自体は2019年1月期『トレース~科捜研の男~』以来3年ぶりとなる。

【写真】錦戸亮の妻役を演じる高梨臨

 今作は、愛する人を失うことにより崩れかけた家族の愛の再生の物語。世界共通の家族愛、誰もがその生涯で経験する大切な人を失うこと。その悲しみを受け入れるまでさまざまな思いを、妻であり母である明子の遺言に残された地、イギリス北部の湖水地方にあるウィンダミア湖への旅の中で描いてゆく。コロナ禍で撮影が延期されていたが、今年2021年初夏、日本での撮影からスタートし、イギリスではロンドンで撮影を行う。

 パトリック監督は、英国アカデミー賞、US学生映画賞と学生エミー賞のドラマ部門でヨーロッパ人として初めて受賞し、映画やテレビの世界で活躍。早稲田大学に留学経験があり、多くの日本映画を観ているなか、今回の出演者を決定。リリー、錦戸のほか、木村多江、高梨臨ら。イギリスから、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』のキアラン・ハインズ(『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』)、『ワイルド・ローズ」に主演し英国内で数々の賞を受賞しているジェシー・バックリ(『ジュディ 虹の彼方に』)の出演が決まっている。

 また、本作プロデュースと世界セールスを担当するのは『あなたを抱きしめる日まで』『ある公爵夫人の生涯』など、アカデミー賞や英国アカデミー賞などで数々の受賞やノミネート作品を手掛けるウエストエンドフィルムズで今後世界的な展開が期待される。また、共同プロデュースとして、英国映画協会ネットワークと英国アカデミー賞クルー2021(『Everything I Ever Wanted to Tell My Daughter About Men』『My House』)のジェイミー・ハービー氏とサッチ・ワタナベ氏(『TOKYO VICE(原題)』『アウトサイダー』)が参加する。

 パトリック監督は錦戸について「演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さん」と評価。「『羊の木』での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせていただきました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを『コットンテール』でみなさんにも体験していただける事をうれしく思っています」と期待を込めてコメントを寄せている。

■パトリック・ディキンソン(Patrick Dickinson)監督コメント

リリー・フランキーさんは、今を代表する素晴らしい俳優の一人です。彼が役柄にこめる繊細で人間らしい演技には、毎回驚かされますし、これこそが彼が特別な存在感を放つ理由だと思っています。今回『コットンテール』という愛の物語でリリーさんと一緒に作れる事をとても楽しみにしていると同時に、世界中の人々の心に触れる美しい映画にしていきたいと思っています。

錦戸亮さんは、演じる役の感情に観客を引き込む事が非常に上手な俳優さんです。『羊の木』での亮さんのお芝居で僕は、どんどん彼の役の感情に引き込まれ、忘れられない映画体験をさせていただきました。才能豊かな亮さんの演技の幅広さと奥深さを『コットンテール』でみなさんにも体験していただける事をうれしく思っています。

木村多江さんが日本アカデミー賞を受賞された『ぐるりのこと』でのお芝居を拝見して、本当に素晴らしいと感じました。多江さんは偽りのない真の感情を見事に表現していて、僕は何度も泣かされました。多江さんの、この“真に迫るもの”こそが、観客の心の奥深くまで響き、感動を与える理由だと思っています。多江さんと一緒に『コットンテール』という愛の物語で、彼女の才能を映像化できる事が楽しみです。

高梨臨さんのカンヌ国際映画祭に正式招待された『ライク・サムワン・イン・ラブ』でのお芝居は本当に秀逸でした。臨さんは役柄を、希望や恐怖心などを抱え持つ人間味あふれる存在として見事に演じ、私は、彼女に特別な才能を感じました。幸運にも臨さんがキャストに加わって下さった事で、『コットンテール』をごらんになった方々は、きっと彼女の細やかな感情あふれるお芝居で胸心を動かされる事だろうと思っています。

■カブリエル・タナ(Gabrielle Tana)プロデューサーコメント

パトリック監督の脚本の元に、こんなにも素晴らしい俳優さんたちが集った事を大変うれしく思っております。この美しい物語を映画としてこれから皆さんと作れる事を、製作者一同楽しみにしております。素晴らしい監督や役者やスタッフとともに、この愛の物語は、言葉も国籍も越え、多くの方々の心に響く作品にしていきたいと思っています。

■あらすじ
健三郎(リリー・フランキー)は、妻・明子(木村多江)を失うまで、しばらく一人息子のトシ(錦戸亮)とは疎遠になっていた。明子の葬式で久し振りに、トシとその妻さつき(高梨臨)、孫のエミに会う。喪主であるはずの健三郎は、酒に酔い、だらしない態度をとる。トシは、そんな父親に苛立ちつつも、気にかける。そして、明子の遺言状が開封され、そこには、明子が子供の頃に好きだった『ピーターラビット』発祥地であり夫婦で行きたいと思っていた、イギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという内容だった。健三郎とトシ一家は、明子の願いを叶えるため、イギリス北部の湖水地方へ旅立つ。イギリスに来ても、何かに悩みながら大人げない態度をとり続ける健三郎にトシは、苛立つ。心を開き、向き合えない健三郎とトシは、旅の途中のロンドンで言い争いとなり、健三郎は何も言わずに一人で湖に向かってしまう。道に迷い、疲れ果て、途方に暮れていると、ある農場に住むジョン(キアラン・ハインズ)とその娘メアリー(ジェシー・バックリー)に出会う。優しい二人の世話になり、しだいに心がやすらいでいった健三郎は、意を決し、トシに連絡をする。そして迎えに来たトシに打ち明けたずっと言えなかった秘密とは…