『陽だまりの彼女』の越谷オサム氏による青春小説を原作とし、駒井蓮と豊川悦司が父娘役で出演する映画『いとみち』(6月18日青森先行上映&6月25日公開)のビジュアル2パターンと予告編が解禁された。

【動画】映画『いとみち』予告編

 本作の主人公・相馬いとは、津軽三味線が得意な青森・弘前市の高校生。津軽三味線を弾く時に爪にできる糸道に名前の由来を持つ。強い津軽弁のなまりにコンプレックスを持ち話すことが苦手で友人も少ないが、芯はじょっぱり(意地っ張り)。一大決心をして津軽メイド珈琲店でのアルバイトをはじめたことをきっかけに、祖母、父、バイト仲間たちに励まされ、16歳のいとは成長していく。

 予告編では、「アホみてぇだっきゃ」と大好きだったはずの津軽三味線から遠ざかってしまう思春期ゆえのいとの心の葛藤や、津軽メイド珈琲店でバイトを始めたことにより、いとと父親がすれ違うシーンなどを見ることができる。

 人見知りを直すために飛び込んだバイト先だったが、突然訪れた店の危機を救うため「三味線弾がせでください」と店長へ申し出るいと。従業員、常連客が愛すべきこの小さなメイドカフェは、この先一体どうなるのか!? 父親の「けっぱれ」の言葉に小さく頷くいと。家族の絆、人々の絆、先の見えない時代に生きる私たちの心にストレートに響くストーリーが展開する。

 オール青森ロケで作られた本作。この3月で引退の決まった五能線の車両が映画の中で走り続ける点も見どころ。岩木山、浅虫海岸など青森の雄大な自然に、ロックバンド・人間椅子(メンバーの和嶋と鈴木が弘前市出身)の楽曲「エデンの少女」が人間賛歌のように鳴り響く。主演の駒井が1年がかりで特訓した津軽三味線の音色と、新進気鋭の音楽家である渡邉琢磨の劇伴にも要注目だ。

 解禁されたビジュアルは、青森×津軽三味線×メイドカフェのコンビネーションの醍醐味をそれぞれに感じさせる2パターン。ひとつは〈青〉バージョンとし、岩木山をバックにメイド服姿のいとが溌剌とジャンプし、「わぁ、三味線弾ぐ!」と叫ぶよう。自分の殻を破り、お店の危機を打ち破ろうとするいとのパワーを感じさせる。青森を愛し、青森で生きる少女の躍動感が伝わってくる。

 赤×白の背景が鮮烈な印象を与える〈赤〉バージョンのビジュアルは、「少女よ、駆け抜けろ!」のコピーが印象的。芯はじょっぱりという、あえて笑顔のない仁王立ちのいとがこちらを見据える。横浜聡子監督らしい、不器用ながらも今の自分からから脱却しようとする少女の衝動が表現されている。

 そんないとを見守るように父親耕一(豊川悦司)、祖母ハツヱ(西川洋子)が配置され、メイドカフェの仲間たちであるシングルマザーの幸子(黒川芽以)と漫画家志望の智美(横田真悠)、店長工藤(中島歩)、オーナー成田(古坂大魔王)、同級生の早苗(ジョナゴールド)、常連客青木(宇野祥平)など個性的なキャラクターたちにも目を配りたい。