女優の松田るかが兵庫県芦屋市制施行80周年を記念して製作される映画『あしやのきゅうしょく』(2022年公開予定)で主演を務めることになった。21日に同市役所で行われた製作発表記者会見では、「食を通して、人のあたたかさだったり、ほっこりするようなものを皆さんにお届けできたら」と、意気込みを語っていた。

【写真】“日曜朝の恋人”と称された頃の松田るか

 北に六甲山地、南に大阪湾を臨んだ豊かな自然と、固有の阪神間モダニズム文化に育まれた瀟洒な街並を擁する兵庫県芦屋市。芦屋市では、給食開始当初より「暖かいものは温かく、冷たいものは冷たく」作りたてを味わってもらえる自校式給食に加え、各校に1人専属で配置された栄養士によるオリジナルの独立メニューを展開しており、栄養バランスだけでなく、季節の食材を織り交ぜながら手作りを基本としたおいしい給食を実施している。また、市内に店をかまえるシェフを招いた「味覚の授業」をはじめ、食への正しい理解と高い関心を育むさまざまな食育に取り組んでいる。

 今回、その自校式による徹底した手作りでおいしいと評判の「芦屋の給食」を題材に映画化。映画のテーマは、学校給食の中で子どもたちが学ぶ“食育”と“人々の暮らしと絆”。新人栄養士として芦屋の小学校に赴任し、おいしい給食作りに奮闘する主人公・野々村菜々役を松田が演じる。

 メガホンをとるのは、芦屋市出身でもあり、『神戸在住』(2015年)、16年に「第64回サンセバスチャン国際映画祭」に正式出品された『ママ、ごはんまだ?』(17年)、『みとりし』(19年)などの白羽弥仁監督。

 松田とともに会見に出席した白羽監督は「この映画では、松田るかさん演じる栄養士が芦屋の小学校に新人として赴任し、外国人の食の問題、アレルギーの問題などさまざまな食の問題に直面する中で奮闘し、成長していく物語を描きます。芦屋市内の小学校で給食を作る現場を全て見せていただき、子どもの未来や将来、子どもに対する熱心な愛情を感じました。これは映画としては非常に普遍的なテーマではないかと思います」と、映画について説明。

 さらに、「今日の不安と閉塞感の社会の中で、一つの方向に愛が向いているということがとても感動的な姿でした。子どものために、子ども未来のために、子どもの将来のためにという点で、この映画を作りたいと強く思いました」と、この企画に込めた思いを熱弁した。

 沖縄出身の松田は「まずは言葉をちゃんと喋ろうと思います。普段、関西弁を使うことがないので、監督にずっと関西弁で話しかけてくださいとお願いして、とにかく耳を鳴らそうと思っています」と、笑顔を見せ、会場を和ませた。

 「私の小学校は給食センターから給食が運ばれてくる学校だったので、こうやって栄養士さんが付いている学校で給食が作られ、できたての給食を子どもたちが食べるという素敵な文化、そしてそれが今でも続いていることがとても素晴らしいと思っています。食を通して、人のあたたかさだったり、ほっこりするようなものを皆さんにお届けできたらいいなと思っています。さらにその食を通して、人と人の絆であったり、人が繋がっていくこと、信頼関係ができていくことを表現したいと思っています」と、22日からのクランクインを前に意気込みを語った。

 いとうまい市長からは「令和2年11月11日をもって市制施行80周年を迎えたこの記念すべきタイミングで白羽監督から、本市の自慢の一つでもある“給食”を題材とした映画製作という素晴らしい企画をいただきました。本市の給食は『豊かな食体験、子どもたちの味覚と心を育む教育である』をモットーに、徹底した手づくりで作られ、そのレシピ集が書籍化されて話題になるなど大きな魅力の一つとなっており、白羽監督からのご提案を大変うれしく思いました。映画というメディアには行政にはない大きな発信力があります。白羽監督、松田るかさんの代表作となりますよう、そしてまた、このコロナ禍の中でも、みなさんにとって、ひととき、楽しくワクワクする出来事となりますよう、心から願い、この作品を応援していきます。そして、芦屋市の魅力を映画と一緒に、世界に、全国に発信していけることを願っています」と、映画製作に期待を寄せていた。