美大の卒業制作で、臓器の働きを部屋に見立てた3Dアートを描いたイユダエマさん。自粛中にYouTubeで3Dの勉強を始め、難しい内容を楽しく面白く伝えることを目指したという本作に、「医療従事者が欲しい」「子どもに教えるのに役に立つ」などと反響が寄せられている。コロナ禍で卒業制作中も学校に行けず、独学で制作した作品には苦労もあったと語るイユダさんに、作品の反響や制作中の想いなどを聞いた。

【画像】あまりの反響に商品化も…心臓ほか、好奇心揺さぶられ”もっと見たくなる”人体模型アート

■コロナ禍で健康や人体を見つめ直したことがきっかけ「難しい内容をアートの力で楽しく伝えたい」

――SNSでは「欲しい!」「家に飾りたい」などの声もありましたが、反響を受けていかがですか。

【イユダさん】まさか臓器のポスターを「飾りたい」とまで言ってくださる人がいると思わず、ただただ嬉しかったです。本当に嬉しいコメントが沢山で…ひっそりスクリーンショットをして、今後の活動の栄養剤にしています。

――同級生や学校内でも話題になったとか。

【イユダさん】みんな結構ツイートを見てくれてたみたいで、展示会場で「これTwitterで見たやつや!」等の声をよく聞きました(笑)。またゼミの先生や友達は一緒に喜んでくれました。さらには卒業制作の学長賞を頂くことができて、作ってよかったと思いました。

――難しい内容を楽しく面白く伝える作品を目指したと投稿されておりましたが、なぜそのような作品を作りたいと思ったのでしょうか。

【イユダさん】「難しい内容を楽しく面白く伝える」ということは、デザインを考える上での私の中の1つの目標でした。私自身、ビッシリ並んだ文字や複雑な図が苦手でして、難しい内容がさらに難しそうに見えるのです。本当は面白い内容でも入り口で躊躇してしまう。でもそれはとても勿体ない事で、表現の仕方で印象を変えたいという思いがありました。

――その中でなぜ臓器をテーマにしようと思ったのですか。

【イユダさん】もともと理科の授業が好きであった事と、コロナの影響で健康や人体というものを見つめ直し興味を持ったからです。自分の理科のノートに描いている人体図の進化系を作ってみたかったのです。

■制作期間は8ヵ月、泣いても太っても諦めなかった自信作「誰かの生きがいを創りたい」

――人生で一番時間をかけて作ったとお聞きしたのですが、制作時間はどのくらいだったのですか。

【イユダさん】沢山のアイディアを整理して、方向性を決める事に2ヵ月。そこから臓器の働きと3Dの勉強をしつつ、ポスターを作り上げるのに半年ほどかかりました。何回も難しさと焦りで半泣きなったり、もれなく6キロ太ったりしました(笑)

――新型コロナの影響で学校に行けず苦労したこともあったのでしょうか。

【イユダさん】臓器と3Dソフトについての勉強を自分でしたのですが、疑問点を解決するのに苦労しました。学校にも行けず、それらについて詳しい知り合いがいなかった為、自分で解決する必要がありました。また、臓器の仕組みを他のものに置き換える過程では「みんなが知っている物」かつ、その働きが「臓器の働きと似通っている」という点を踏まえて考えないといけなくて…。当てはまる物があっても見た目で表現し辛いなどがあり、色々苦労しました。

――本作品でこだわったところがあれば教えてください。

【イユダさん】ポスターが目についた瞬間「何これ?!」と思わず目を止めてしまうような作品を目指しました。そしてじっくり見てみると「あ!ここは心臓の〇〇の部分だ!」「肝臓って〇〇見たいな働きもしてるんだ!」と、気づきや学びを遊び感覚で与えられれば良いなと。その為、全体的に楽しげでポップでおもちゃっぽいテイストになるよう色味やモチーフの造形を工夫しました。

――この作品をどのような人に見ていただきたいですか。

【イユダさん】特に年齢や性別等を意識して作っていなかったので…子どもから大人。幅広い層に気軽に、遊び感覚で見て頂けたらと思っています。その中で、ちょっとでも人体に対して学びや興味を持って頂けたらとても嬉しいです。

――これから他にどんな作品を作りたいですか。ご自身の夢などはございますか。

【イユダさん】3Dの動画やVR、ゲームにサイトなど挑戦したい作品はいっぱいあります。夢は、大袈裟だけど、人々の生きがいになるくらい面白くて、ワクワクを与える体験やコミュニケーションをクリエイティブを通して広めていくことです。