昨年8月に43歳の若さで惜しくもこの世を去ったチャドウィック・ボーズマンさん最後の劇場公開主演&プロデュース作品『21ブリッジ』が、4月9日より全国公開される(以下、敬称略)。

【写真】ティザーポスターのチャドウィック・ボーズマン

 本作は、8人の警官を殺した強盗犯を追跡するため、アンドレ刑事はNYマンハッタン島に架かる21の橋を全て封鎖する。だが、追跡を進めるうち、表向きの事件とはまったく別の陰謀があることを悟る。その真実とは――というシンプルにして大胆なアイデアを核に、たった一夜の出来事がスリリングかつダイナミックに展開するクライム・アクション。

 監督は「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのブライアン・カーク。そして製作をMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の『アベンジャーズ/エンドゲーム』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の監督、ルッソ兄弟(ジョー・ルッソ&アンソニー・ルッソ)が手掛ける。

 チャドウィックと言えば、MCUの『ブラックパンサー』に主演し、世界のニューヒーローとなったが、カーク監督は「『ブラックパンサー』以来の素晴らしい役になるきっかけを与えられたら」と、思っていたという。

 一夜に起こった出来事を描いているため、全てのシーンの撮影は夜間に行われた。「身体は8週間の夜間撮影によって相当な影響を受けています。多くの人にとってこんな撮影は始めての経験でした」と、過酷だった撮影を振り返った。

 「チャドウィックは、『この撮影経験が、とても興味深くリアルな感じでうまく映画に表れている』と言っていました。身体的疲労を感じることによって、彼は実際の警察官と同じ体験をすることができたのです。特に殺人事件なんかが発生すると、実際、警察は3、4日間ぐらい昼夜問わず捜査しなければならないし、寝ることもままならないですからね」と、過酷な撮影現場の状況が演技によりリアリティをもたらしたという。

 本作の成り立ちについては、「今回、我々には素晴らしい作品作りの要素がたくさん揃っていました。まず、元々のコンセプトの明確さとその力。次に、映画業界の中でも、突出して大きな成功を収めたルッソ兄弟が製作として参加したこと。そして3つ目は、旬な映画スターであるチャドウィックをキャスティングできたことでした」と、脚本、スタッフ、そして俳優に恵まれたことを感謝。

 「チャドウィックが素晴らしい俳優であることは周知の通りですが、『ブラックパンサー』に出演したことで彼の格が一気に上がりました。映画スターとして世界的アイコンとなったチャドウィックですが、まだまだ俳優として多くの可能性を秘めています。なので、本作へ出演することで、『ブラックパンサー』以来の素晴らしい役になるきっかけを与えられたら、と思ったのです」と、大スターとなったチャドウィックへの新たな期待を込めていたことを明かす。

 続けて監督は「彼が主役兼プロデューサーとして『21ブリッジ』に参加することが決定し、いざストーリーについて話す機会が訪れたとき、僕は彼に『これは物語の“探究”だけど、僕が求める物語の方向性に伴って変化する登場人物の“探究”でもあるんだ。僕は、役者として君が自由に表現でき、自己探索できるきっかけを与えられるような選択をしたい』と伝えました。そして、彼は最大限の力を注いでくれたのです。実際、LA市警やNY市警両方についてリサーチしましたが、チャドウィックの経験値に頼った部分が大きかったです」。チャドウィックは監督の期待を超える見事な演技を見せ、俳優として、そしてプロデューサーとしての新たな到達点に達した作品となった、と監督は語っている。